蒼い✨️ さんの感想・評価
3.2
物語 : 2.0
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
イトコの言葉は理解不能…!
【概要】
アニメーション制作:シャフト
2011年4月 - 6月に放映された、全12話 + テレビ未放映1話。
原作は、入間人間による『電撃文庫』のライトノベル。
シリーズディレクターは宮本幸裕。総監督は、新房昭之。
【あらすじ】
両親の海外赴任に伴いちょっと斜に構えた高校生・丹羽真くんが、
15年間過ごした岐阜の田舎から離れて、高2からは、
名古屋に住む叔母の家に居候することになったことから物語は始まります。
叔母である藤和女々(とうわ めめ)39歳は1人暮らしだと聞いていましたが、
迎えに来た女々とタクシーに乗って辿り着いた一軒家に入ると、
玄関には、上半身が布団で簀巻きにされて顔が見えず、
ミニスカートから太ももが見える、奇天烈な少女が寝っ転がっていました。
疑問に思う真くんは女々に訊ねますが、
女々は布団簀巻き少女がいないかのように振る舞ってます。
その布団簀巻き少女はエリオといい、女々の娘で真くんと同じ16歳。
藤和家も他所様の家庭と違った何やら事情があるようでした。
【感想】
いわゆる、青少年を対象としたジュブナイル作品。
主人公の丹羽くんは、やれやれ系主人公。
心のなかで常に長文のモノローグをしないといけない症状に罹っています。
そのくせに意味もなく美少女たちからモテる。物語のヒロインたちは何故、
丹羽くんに興味持って構ってくるのか?が、アニメだけ見る分には全くの意味不明。
なお、このアニメの成分は殆どが丹羽くんと美少女たちの会話で成り立ってます。
原作イラストがブリキ氏で、アニメのキャラデザインは後に初代ラブライブでも活躍した、
西田亜沙子氏であり、腰とかヒップとか美脚とか美少女力が非常に高いアニメであると言えます。
そのキャラデザを武器に、ビジュアルノベルの美少女ゲームのテンプレを基本とした作り。
ちょっと変わった恋愛ゲームみたいな青春体験を映像化することで、
視聴者を釣り上げようという意図があるように思われます。
文章を魅力的にして読ませるのが目的であるラノベが原作だとありがちなのですが、
言葉が装飾だらけで、まるで原稿用紙を読んでるがごとくに台詞が異常に長いです。
そしてその長さの割に、結局何が言いたいのだろう?と思うと、
文章量の多さの割に、センテンスからは拾うべき要点は少ないですね。
女の子たちも、ノルマがあるのかエキセントリック (言動や行動が奇矯な様子)な言動が多め。
序盤で電波発言を繰り返すメインヒロインのエリオは早々に引きこもり少女にジョブチェンジ。
小動物系の見た目で、口で擬音を連呼したり、丹羽くんへのヤンデレ度が高い御船流子。
高身長で外見だけは凛々しいが虚弱体質、いつもクールな口調。コスプレ好きの前川さん。
真の叔母でエリオの母親、39歳+○○ヶ月の女々さん、変態発言多めです。
自称超能力者兼宇宙人、素性が謎に包まれている宇宙服の銀髪幼女・星宮社。
作品を楽しむメインディッシュが、
丹羽くん vs 女性キャラのネタまみれギャグまみれの会話なのですが、
それが笑える面白さかというと、台詞回しがくどい割にはスッキリとしない言い回しで、
如何にも作者に喋らされている感じでちょっと厳しいかな。
ここは視聴者としての好みの違いにすぎないのでしょうけど、
アニメを見るのにも、短い言葉でも感情を込めた芝居の力を重視するようになった私としては、
装飾過多で迂遠な言葉攻めのシャワー+動きが漫画チックなアニメは、
朗読劇に映像が付随している感じであって、
相対評価としては高ランク扱いにはしづらいかなというところです。
主人公の丹羽くんが、やれやれキャラですのでそれを正すべく説教キャラがいるのですが、
特に、宇宙人を自称して非日常を個性とする星宮社の丹羽くんへの発言の数々が電波で支離滅裂。
それを以て物語の根幹を形成するには雰囲気アニメにすぎるかなというところです。
ここは、故・藤子・F・不二雄先生が提唱したSF(すこしふしぎ)で、なんとなく気分で楽しめばいい。
『青春は理屈じゃないんだよ!!』
本当にこれ、ちょっと理屈っぽくなるとあれこれ突っ込みたくなって、
ストーリーを純粋に楽しめないと思いました。
エリオの曾祖母との話の区切りになる第8話は、仮想最終回としては良かったですけどね。
このアニメの特徴として、アップ時の作画に気合が入っています。
ただ、アニメーターの腕にカットの出来が左右されすぎてて、
デフォルメシーンでもないのにキャラの頭身が伸び縮みして不安定であったり、
キャラが手前から奥に向かって歩いてるはずが、足が動いているのに移動してないなど、
おかしな部分が、他社の動画がしっかりしてるアニメと比較して顕著ですので、
敢えて、相対評価で作画は★3.5にしました。
OP/EDは好みでしてセンスがよく、OPの電波ソングは特に破壊力があります。
やくしまるえつこさんのEDもいい雰囲気で、エリオバージョンEDアニメが美麗です。
初めて点数をつけたときは平均で4.2ぐらいにしていたのですが、あれから7年半。
見たアニメの数と傾向で、相対的に見方が変わってきて評価にはいくらでも影響し得る。
絶対不変の価値はないのかもしれない。
今回、このアニメを再視聴して強く思いました。
これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。