オキシドール大魔神 さんの感想・評価
4.0
物語 : 2.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
物語の構成がめちゃくちゃ
この作品は、主人公たちの日常パートとヒロインの兄が中心の異能パートがあるが、突然異能パートをやる、その異能パートが絶望的に説明不足(小説1冊分を1話に詰め込んでいる)、そもそも日常パートも割とカットが多い、無意味な時系列入れ替えがある……などなどもうめちゃくちゃ。せっかく時系列入れ替えるなら、主人公と同級生の過去をやった方が良かった。そうすれば同級生のスタンスも幾分か分かり易かったはず。何もかもが中途半端だった。物語の構成、詰め込みやカットの割合で言えば、これほど恵まれなかったアニメ化もそうそうない。
続いてキャラについて。キャラデザは主人公ヒロインすべてドストライク。ただ、同級生の性格、鳩子、生徒会長の極端さには辟易した。まあ同級生の性格はただのクズなので、もうそれ以上何も言えることはないが、自分の勘違いなのに被害者ヅラの生徒会長、人の趣味に文句付ける鳩子は残念だった。生徒会長、鳩子、両者ともに普段は普通にかわいいのだが。他のヒロインは性格も良くて結構。
声優は元々好きな人もいればこの作品で好きになった人もいた。山下七海はハマっていた。
OPEDは電波や中毒ソングではなく、割と爽やかな楽曲で悪くない。EDのSD調のキャラが躍動する映像は悪くない。
2、7、8話はヒロインが極端、突然の異能パートでおすすめできないが、10、11話はサービス回(ただし同級生が多少絡む)、他もギャグ回や各ヒロインとのエピソードで、それは悪くない。特に5話の回想は、ハンター試験のゴンvsハンゾーを想起させ良かった。最終話は、徹頭徹尾被害者で終わった工藤は若干可哀想だったが、鳩子以外の反則級の異能を使わせたのは上手かった。作戦も反則級の異能があるからこそできる、シンプルかつ大胆な作戦だったのは悪くない。しかしながら、どうせ再生できるし何もそこまで泣かなくても、というかシリアスな雰囲気出さなくても……とは思ってしまった。いやまあ、最終的に無事なら腕を千切るくらいなんともないというのは、理屈では分かっていても感情で簡単に納得できるものではないし、むしろ淡々と作戦をこなされたら、それはそれで人間味がないが、それにしたって深刻すぎやしないか?とは思ってしまった。
作画、キャラデザ、音楽、声優などはそこそこ恵まれていたが、物語の構成だけが恵まれていなかった惜しい作品。