Lovin さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
観た感じ
■概要{netabare}
原作:加東招二
原作イラスト:四季童子
監督:武本康弘
シリーズ構成:加東招二、志茂文彦
キャラクタデザイン:堀内修
制作:京都アニメーション
話数:1クール全17話(全12回)
OP:「それが、愛でしょう」
by 下川みくに
ED:「君に吹く風」
by 下川みくに
{/netabare}
■感想
原作ライトノベルは未読でDVDを視聴。羊の群れに犬を放つ話。
この作品は、フルメタル・パニック!を本編とした原作に収録される短編を集めた内容らしい。本編の設定を理解したうえでないと、本作品の設定や登場するキャラは理解できないだろう。それ自体はライトノベルではなく、アニメでも十分補完出来るので、まず本編を描いた1期を視聴することをお奨めする。
内容としては、千鳥かなめの通う陣代高校に、戦場しかしらない相良宗介が普通の高校生として転校するという学園ラブコメ。相良宗介が転校する理由に関して詳細な説明は無いが、本編を視聴済みであれば理解できるだろう。そういう戦士が、平和な学園での日常を過ごそうとするとこうなる、というのがコミカルに描かれる。
相良宗介は基本、同意を示す際の返事である「はい」が「肯定だ」になる。これは彼の生い立ちや性格から来ており、そういった部分は事前に知識があったほうがより楽しめるだろう。千鳥かなめも壮絶な過去を持ち、波乱万丈な運命が待っているとは言え、過去の経緯から相良宗介のお目付け役として日常生活は問題なく(?)過ごせている。
本作品は第1話からいきなりトップギヤで展開される。開始直後から穏やかな朝の風景で、相良宗介の危険な「常識」が披露され、まるでアクション映画のようなシーンに様変わりする。それは第2話で一度レッドゾーンに突入する。「相手の流儀に合わせてよい」という生徒会長の一言で、高々不良の諍いに相良宗介の危険な「常識」が惜しげもなく投入される。
そして語るべきは最終話だが、面白過ぎてネタバレに配慮すると言葉が無い。主観の問題なので一度観る以外にこの気持ちを理解して頂く方法を私は知らない。
作画的には流石の京都アニメーションだ。作画以外にもキャラの一寸した挙動にも見るべきものがある。象徴的なのは第4話だ。自転車とミニパトのカーチェイスに於いての挙動は、古き良き宮崎駿&高畑勲作品に似ては居ないが、その独特さは非常に評価できると思う。
この作品では、キャストの演技にも見るべきものがある。まず、ラジオ等で下品なトークをすると聞き及んでいる関智一。生真面目な戦士役だが、第3話では迫力、最終話ではウザさ満点の演技でこのコメディを演出している。
そして最近では大人びたキャラが多い雪乃五月。第3話では「おりゃーーーー」という、女性キャラとは思えない台詞を違和感無くこなしている。当時私はこの台詞が日本一上手い声優だと感心したものだ。なのに第16話では凄く女性らしい演技も見せている。
私は本編を視聴後だったので問題なかったが、人に奨める場合に懸念するのはその点のみだ。個人的にはコメディの金字塔とも思っているので、是が非でも観て頂きたいと思う作品だ。
■蛇足{netabare}
プロレスは観ないが、
ジャパニーズオーシャンサイクロンスープレックスホールドは初めて聴く技だ。
{/netabare}