nicoco さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
絶望の世界が観たいならおすすめ
レビューで興味を引かれて見始めたが、テクノライズを見続けるのはかなり根気がいると思う。一話はほとんど台詞もなく映像だけが過ぎて行き、何が何なのか解らない。
伏線になりそうなパーツだけで構成されている感じで最初で見るのを断念してしまう人も多いはず。
でも6話あたりから登場人物が動きだしガラッと変わって面白くなる。残酷で目を背けたくなるようなシーンがいくつもあるし、正直見ていて気持ちが悪くなる場面も只多い。
けれど、少しずつ明らかになっていくストーリーの軸とインパクトで攻めに走らないリアル思考が中毒性を出していく。生死をかけた戦いだなんて簡単に片付けるのも微妙で、単純に登場する人物の格好良さと泥臭さに惹かれるのも良し。
終盤に差し掛かると台詞の多さとスピード感ある絶望さに、逆に最初の頃の静けさが懐かしく戻りたい気持ちにもさせる。
好みは絶対別れるが、観るなら是非エンディングまで観て欲しい。
以下少しネタバレ↓
はじめのストーリーを私的に簡単に要約すると、
世界には
地下にあるルクスという暴力と残虐性に支配されたルクス(流9洲)
その上の地位ある貴族階級のクラース
そして出番が少ない選ばれた?人間が住む地上
の三つに大きく別れる。
ルクスの街は地下に出来たゴミの掃き溜め程度の存在であり、人間含めたゴミ処理場から取れるラフィアと呼ばれる苔の花を採取することでその存在を保たれていた。クラースは監視役のようなもの。
そしてルクスにはオレガノ、ラカン、救民連合の三つの勢力図が存在した。しかしそれらは一人の地上から来た男がきっかけとなり、辛うじて形を維持していたルクスの社会体制の歯車は破損し、少しずつだが着実に絶望へ人間を導いていく。
でもこれは序章のほんの一粒に過ぎなかった・・・。