セレナーデ さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
けっこうシビア。されど癒し系。
「びん↑ちょう→タン↓」なのか、と一人で疑問してたら、「新庄さん」を「新庄タン」と言う伝だと思えばいいと一人で納得してたんだとさ。
みなしごが日当の出稼ぎで生活してるとか絵柄に似合わずけっこうシビア。加えて、生活水準のグレードで区分けされたキャラクターたち(最貧困層のびんちょうタン、貧困層のちくタン、一般的家庭のアロエ、富裕層のくぬぎタン、寺院の一族のれんタン)をそれぞれに組み合わせたり対比させたりして、貧富や様式のギャップを描いてる趣がどこかあるので、びんちょうタンの境遇の不憫さがよけい際立っています。極め付けに同年代の子から文字を教わっているという、なんかもう見方によってはある意味で物悲しくなるドン底っぷり。
でも、だからでしょうか。「きょうもごはんがとってもおいしかったです」こんなわけもない一言がしみるしみる。山頭火のような味わい深さ。この言葉を富裕層のくぬぎタンが言えば意味合いが変わってくるし、ましてや惰眠楕食をむさぼってる我々現代人の言う「うまい」とは遥かに重みが違います。自分の置かれた過酷な環境を、幸か不幸か優遇か不遇かという天秤にかける発想すらもたず、目の前にある幸せをめいっぱい享受し、健気に懸命に生きているびんちょうタンのことばだからこそ、微笑ましくも、どこかたくましい響きに感じるのですのよな。
こう書くと、なにやら重々しい啓発アニメのように聞こえますが、決してそういうわけではなく。現実逃避的な癒し、応援歌的な癒し、精神浄化的な癒し、さまざまな角度からでも高いヒーリング効果の期待できる、貴重な癒しアニメと思います。
あ、あと萌え的な癒しもね。れんタン可愛いよれんタン。