カントムハイヴ さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
至高の嗜好を志向し思考する
大好きです。
良い所しか見えません。
恋は盲目と言うのなら私は間違いなく盲目的にこの作品に恋してます。←
なぜここまでこの作品に惹かれるのか。
最大の要因は登場人物の魅力にあります。
この作品の大きな特徴としてキャラ設定、会話、演出の3つが挙げられます。
《キャラ設定》
この作品は怪異と呼ばれる不明瞭なものを主軸に話は進みます。
登場人物の多くはそれぞれ何かしらの怪異に少なからず関わりを持っており、
その怪異というものは登場人物の身体的特徴や性格的特徴に影響を与えています。
平たく言ってしまえば、
この作品に於いて怪異というものは登場人物のキャラ設定のひとつでしかなく、
それを主軸に話は進むのですからキャラの掘り下げが進むこと進むこと。
もちろんそこには驚きや恐怖が多少ありますので飽きさせません。
加えて様々なニーズに応えた個性豊かな登場人物面々。
どの登場人物も性格的にも能力的にも突き抜けており、
また落とし所もしっかりしているので魅力を感じずにはいられません。
そしてそれらをうまく表しているのがそれぞれの話にOPとして使われるキャラソンです。
《会話》
会話とは登場人物に対しての好感度に大きく関わり、
その上下に於いて相当の比重を占めるものです。
この作品の会話は内容もさることながら、
セリフの言い回しのや言葉遊びがたいへんおもしろく、
それがテンポよくリズミカルに進むもので、
とても心地良く会話をおもいっきり楽しむことができます。
加えて登場人物はそれぞれに極めてハッキリとした性格的特徴があり、
それに基づく会話が更に登場人物の魅力を強く感じさせます。
そんな会話が作品の大半を占めていると言っていい程、
この作品は楽しい会話に溢れています。
なので視聴を重ねる度、
登場人物に対しての好感度が上がり続けるのは言うまでもありません。
《演出》
その表現方法は多岐にわたり、
登場人物それぞれの特徴や場面に合わせた様々な手法を用いて、
心情や状況をやや過激に描写ています。
ギャグシーンやシリアスシーンそしてバトルシーンに於いても、
魅せる時は魅せるという具合の緩急をしっかりつけた絶妙な演出で
登場人物の魅力を存分に引き出しています。
特に印象的なのは、静止画の羅列や音声のみ、活字のみのシーンです。
一見手抜きにも無駄にも受け取れる凝った手法ではありますが、
その時、登場人物はどういう表情をして何を考えているのかを想像させ、
そこに制作側の何らかの意図があるような気がしなくもなく、
まるでマインドコントロール若しくは芸術品を眺めているかのような感覚に陥ります。
改めてアニメーションに無限の可能性を感じさせます。
以上の3つがこの作品に於ける登場人物の魅力の所以です。
物語は怪異に悩む少女達を主人公が怪異の専門家の助けを借りつつ解決していくというワンパターンで小さく纏まったものですが、
ワンパターンだからこそ登場人物の魅力を表現するに特化したものになっています。
そして小さく纏まっているからこそ、より内面世界の広がりを感じることができ、
表現の可能性は広がり続け、この作品は本当に素晴らしいと思えるのです。
間違いなくキャラアニメの最高傑作のひとつです。