あしすと さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
こんなに巧みな作品だとは思ってませんでした
もうすぐ発売される格ゲーの電撃FCにキャラが出ているので、その発売前に見ておこうと思っていて、つい最近観終わった作品です。
(あ、ちなみに電撃FC関連の作品の視聴済み割合は現時点でおそらく7割程度で、買おうと思っている主目的はストブラの姫柊雪菜ですがw)
話を戻しますと、この作品は思っていた以上に巧みな作品でした。
というのは、ラノベ原作で人気も高い作品ということで、もっとジャンクフード的な分かりやすい作品だと思っていたということです。
しかし、その想像は序盤で裏切られました。
池袋が舞台の群像劇というのは把握していたのですが、単純な群像劇というだけではなく、ストーリーテラーを毎回別のキャラにさせることで中心人物の視点を各話ごとに変え、そして各キャラ視点で語られた伏線が状況が進むにつれて一点に収束していくという構成。
小説ではたまに見かける構成かもしれませんが、アニメで見かけたのは初めてです。
おそらく、クール制の12話ないし24話でうまくまとめるのが難しいからなのでしょう。
また、伏線を持ち越さなかったことにも好感が持てました。
ラノベアニメの悪い点として、どうしても序盤3~6巻程度でアニメ化範囲が終わっちゃいますから、めちゃめちゃ重要な伏線を残したまま最終回を迎えて2期に続く、みたいな期待をさせておきながら、結局売り上げが伸びずに2期制作なんて夢のまた夢、ということが多いですが、この作品は少なくとも大きな伏線を残すような終わらせ方ではなかったので。
(自分はあまり細かく見ていないので、小さな伏線が残っていたかどうかは把握していませんw)
そういう意味では、原作者さん、監督さん、脚本さんが巧みなのでしょうね。
(以下、後にちょっとだけ追記)
あとで気付いたのですが、セルティの首という伏線は残してましたね。
すっかり忘れてましたw
ただそうだとしても、最終話付近で本人たちが気にしてなかったという面において、このデュラララ1期終盤ではそこは重要な伏線ではなく、締め方が綺麗な作品だったということは間違いないと思います。
(追記終わり)
あと、いわゆるバトルシーンのBGMがコミカルだったのも印象に残りました。
どこか三谷幸喜監督映画を彷彿させると個人的には思ったのですが、意識していたりするのかな?
…とまぁ、ここまで絶賛してきたのですが、これはあくまで客観的分析(のつもり)であり、実は、個人的主観的には歴代上位に食い込むような物凄く好きな作品ではありませんでした。
以下、物凄く個人的理由です(笑)
まず1つ目の理由として、僕はそもそもジャンクフード的な作品のほうが好きだからですw
プロフィールに自己満足で載せている個人的ランキングを見てもらえれば分かるように、僕は分かりやすい作品を基本的には好みます。
そして、やっぱりカワイイと思える女性キャラがいないとダメなんですw
いや、たしかにセルティはかわいらしかったんですけど、そういうんじゃなくてですねww
そして2つ目の理由として、この作品の世界観に共感性を抱けなかったということがあります。
多少のファンタジー要素があるとはいえ、この作品の舞台はアンダーグラウンド社会。
少年たちと青年たちの不良行為の物語。
そのため、この物語を面白いと思えるかどうかは、結局は「日常から離れてちょっと悪さをしてみたい」という感覚に多少なりとも共感性を抱けるかが重要だと思います。
で、自分はそこに共感性が抱けなかった。
むしろこのような世界観で生きているキャラクター達にドン引いてしまう。
そういうことです(笑)
自分はアニメ系中二病には3種類あると思っています。(現実中二病はもっと細かく分類できるかもしれませんが、「アニメ中二」は大きく分けるとこの3つかな、とw)
・能力系中二病(魔法とか、ロボット操縦とか)
・人間関係系中二病【恋愛・友情系中二病】(ありそうなシチュエーションだけど、冷静になると現実には絶対にありえないフィクションシチュ)
・悪さ系中二病(アンダーグラウンドへの憧れ)
で、自分の適性は
能力系:◎
恋愛&友情系:○(昔)→△(現在)
悪さ系:×××
…であり、悪さ系は一番の苦手分野なので、この作品も構成が素晴らしくなかったら途中断念していたことでしょう。
ということで、この作品の自分の評価は
・文学的表現が好きな人にはお勧め
・締め方が綺麗な良作を見たい人にはお勧め
・アンダーグラウンド系が好きな人にはお勧め
・ただし、もし個人的に好きな作品を聞かれたなら挙げない作品
という感じでした。