カントムハイヴ さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
自己の確立と自我の確立
宇宙から来た戦闘民族の少年が原住民の人々との交流を通して
人間らしく成長していく異文化交流と共存を主軸に置いたSFアニメです。
まるでメジャーリーガーが少年草野球チームで選手としてプレイするような
圧倒的戦力差で随分とワクワクさせられました。
ずるいっ!と思うくらい長けた文明の力で問題を解決していく様は
得も言えない爽快感を感じさせます。
それでも完全な解決にはならいないのがこの物語の本当におもしろい所で
盲目的に敵を殲滅することだけに存在意義を見出していた主人公と
人との繋がりに重きを置いた助け合いで成り立つ社会とを対比させ
主人公がいかにその社会において特殊な人格の持ち主であるかを浮き彫りにさせます。
そんな主人公が人間らしく社会で生きていく為に様々な人との交流を経て協調性や自己の確立、
その社会における倫理に基づく思考や判断を身に着けていく成長を手堅く描いています。
加えてその社会に生きるために必要な「働く」ということについてもおもしろく描かれており
主人公が戦闘以外で人の役に立てることはないかと様々な仕事に挑戦していく姿は
現代でも通じるところがあり、見ていてとてもほほえましく思えます。
そしてなにより相棒であるロボの存在がこの物語を更に厚く、そして熱くさせています。
親のようであり、先生のようであり、そして親友のようである彼は
主人公にとってかけがえのない存在であり、物語においても重要な役割を担っています。
ロボ所以ではありますが、主人公がどういう状況にあろうと
常に傍らで主人公を助け、時に諭し、時に導く彼の生き様には敬服せざるを得ません。
特に終盤の展開には胸を熱くし、こみあげてくるものがあります。
1クールという短い話数ですが
多くの要素を取り入れ、得した感いっぱいの見応え十分の作品です。