らしたー さんの感想・評価
3.2
物語 : 3.0
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
どうでもよくって意味なんかなくって役に立たないことほど面白い
わりとそのへんの感覚を共有できる友人なりなんなりが身近にいることが、人生を豊かにできるかどうかの分かれ目だと考えてるクチなので、この作品が表現している、ある意味、第三者から見たら意味不明かつ退屈なやりとりが、奇妙なほど美しく、まぶしく映ってしまった。
仕事の話などもってのほかで、それどころか共通の趣味の話ですらなく、たとえば、株式を最初に考えた人ってすごいね、とか、深海魚ってよく潰れないね、とか、おそろしいほど実生活に関与しない無駄話ほど貴重だなあって常々思う。それを貴重なものと感じちゃうのが大人で、自然と消費できるのが子供、なのかもしれないが。
それにこの作品に中身がないとも思わなかった。これを中身がないと言い出すと、じゃあ事件が起こらないと中身がないのかって話になっちゃうし、そもそも彼女たちが見る世界からしたら、「新しい友達ができました!」とか「行けなかった海に行きました!」とか、十分するぎるほどの中身だろうと、そう思わざるを得ないわけでして。
ただ、彼女たち三人のやり取りがまぶしく映るのは、それが期間限定だから、という気がしないでもない。大人になっても変わらず仲良しってのは、それはあるにはあるけれど、たとえば誰かが就職したり結婚したり彼氏ができたりで、質のちがう世界と向き合うことになった時に、それまで同様の無邪気な笑いが成立するかというと、なかなかそうもいかないでしょう。
そういう意味で、期間限定。だから余計にまぶしい。