どらむろ さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.5
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 2.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
爆弾で殺し合うバトルロワイヤル。人間臭いオッサン、平さんが印象的
バトルロワイヤルの爆弾バトル版。
主人公達が突如拉致されて、バトルロワイヤルめいた舞台で爆弾バトルさせられるお話。
若干B級感はあるものの、人の絆と疑心暗鬼に揺れるストーリー展開は中々のもの。
…結構面白かったです。
{netabare}『物語』
前述の通りなお話。
何故こんな展開になったとか、あまり深く考えずに舞台設定として素直に楽しむのが吉か。
主人公とヒロインの辛い境遇故の対人関係の忌避感は、この異常な状況での彼らの交流と葛藤を、分かり易く物語に入り込ませてくれる。
他者との警戒感や疑心暗鬼、葛藤を経ての協調や信頼関係構築など、バトルロワイヤルの醍醐味である人間ドラマは中々に濃密で、終始程良い緊張感があった。
一方の爆弾バトルに関しては、様々なタイプの爆弾を駆使しての頭脳戦の様相を呈している。
主人公は賢いので頭脳的な作戦も見られるのだが…
肝心の爆弾バトルは主人公側だけ爆風に不自然に強かったり、ややご都合主義が目立つのが難。
島のルール説明や主催者の思惑等の設定面でもややツメが甘い。
ここら辺が本作を良作・佳作には若干至らないと思う所以です。
…とはいえ、バトルロワイヤルの緊迫感は十分感じられるので、決して悪くは無いです。
坂本竜太(りょーた)とヒミコそして不動産屋の中年男性の平の三人の出会いと交流の人間ドラマが見所だった。
過去の辛い出来事から男性不信に陥っているヒミコの凍った心を、ニートだがハイスペックイケメンな竜太が溶かしていく。
ラブコメとして見ても中々萌える、良いカップルです♪
気の良いオッサン、に思えて実は怪しい?と思えてやっぱり良い人?と思いきや結局…な平さんの存在が、本作において常に疑心暗鬼と信頼の狭間で(良い意味で)視聴者に緊張感を与えてくれた。
極限状態での人間ドラマは、かなり真に迫っており、見所十分。
人間の弱さと哀しさを存分に見せてくれるストーリー展開は、目が離せなかったです。
ラストは中途半端で些か残念。
人気的に2期はまず望めないでしょうし、原作の紹介としては無難に纏めたと言えるのかも…。
総じてツメの甘いB級感はあるものの、一定の魅力を持った作品でした。
『作画』
ヒロインの作画はやや好みに合わない。
とはいえ悪いワケではなく、性格的な補正もあって十分満足です。
爆弾バトルの緊迫感はイマイチだが、最低限の表現は出来ていたように思える。
『声優』
主人公・坂本竜太役の本郷奏多(かなた)さんは本作がアニメ初主演の模様。
主にテレビドラマ等で活躍されている若手声優さんのようです。
主役としては可も無く不可も無く。
ヒロイン・ヒミコ役の三森すずこさん、心に傷を持った人間不信の少女を好演。
本作のキーマンともいえるオッサン・平さん役を、ベテランの大川透さんが熱演。
一見お人良し?信用出来ない胡散臭さ?辛い人生経験故の脆さ等々の味のあるオッサンキャラを見事に演じられており、大川さんがMVPだろうか。
注目は黒幕の主催者役の、高橋名人でしょう。
声優としてはド素人の棒読みが、逆に不気味な怖さを演出していてナイスでした!
『音楽』
あまり好きでは無い主題歌。まあ雰囲気には合っているかと。
『キャラ』
主人公の坂本竜太はニートだが身体能力・頭脳共にハイスペックなイケメン。
疑心暗鬼にとらわれつつもヒミコや平さんを救っていくナイスガイでした。
ヒロインのヒミコは過去の辛い境遇故の男性不信(まあ当然でしょうな)故のツンツンヒロイン→次第に竜太に心を開いていくのが可愛い。
良いヒロインです。
しかし本作のMVPとも言えるキャラクターは、平さんでしょう。
アニメの主要主人公サイドには滅多に居ないタイプの俗物なオッサン、悪徳不動産だったが家族愛と離別の苦しい人生経験、極限の状況でギリギリまで主人公たちと信頼を結び、瀕死の時、自らの悪行を悔いる等の根は善人だった。
それでもやはり人間の業と弱さ……。
決して悪い人では無かったけれど…人間って弱いなぁ…。
アニメには希少なタイプの人間臭い年配キャラであり、彼の存在が本作のドラマを面白くしているのは間違いない。
こういう愛嬌のあるキャラクター、私は好きです。
他の敵もそこそこキャラが立っていたが、十分魅力発揮する暇が無かった。
高橋名人をモデルにしている黒幕(名人御本人が演じておられる)も、無邪気さが逆に不気味で、良い敵キャラだった。{/netabare}