takun92bab さんの感想・評価
4.7
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
見入るよさ
いや、この作品はTOP5には入るぐらいいい作品だったと感じる。
まず、いつも通りによい点を述べる。
(1)ストーリーの辻褄が合っていて、一貫性がある。小さい伏線も豊富にあるのもよさ。
SAOは二つに分かれていて、パート1、アインクラッド編は命との戦いで一番興奮していた。キリト強すぎで頭の回転の良さはすごいと思う。また、アスナとの関わり、結婚までの道のりは視聴者としても心がホカホカになった。
フェアリィ・ダンス編では、メンバーは変わるが、キリトが必死にアスナを助ける経緯は見ものである。ただし、アインクラッド編と異なり、死ぬことはないので切羽詰まったところは異なると思う。
(2)悪役のよさ。アインクラッド編の悪役、茅場は個人的に好きなキャラクターですね。あんだけ天才だったらそういう気持ちを持っている人がイメージにあったので共感を持てた。勿論、人の命を脅かしたシステムを作成するのは大いに人道的に問題だし、非難すべきである。ただし、SAOで見られたRPGが実際にあったら興味を個人的に持っていたと思う。実際、入りたいしね。
(3)必要な悪があるということ
ちょっとここは中二病が入っているかもしれないが、ここで述べている必要な悪は死と嫉妬。以下は自分の考察とネタバレ
{netabare} ~
SAOでは理不尽な状況下で多くのプレーヤーは最初の一年で数多く亡くなり、キリトも最初に入ったギルド月夜の黒猫団のメンバーの死に直面した。キリトはこれを乗り越えるのに本当力が必要だったと思うし、そこは尊敬できるところでもある。
突然デスマッチに陥れられたプレーヤーは普通のモンスターが攻撃される中を生きる必要があるだけでなく、なんと他のプレーヤー(レッドプレーヤー)からの攻撃を守らなくてはいけないということも起きていた。これこそSAOで考えさせられるひとつ重要な要素だと感じる。果たして、レッドプレーヤーは元々犯罪者だったのか、否、理不尽の絶望の淵に立たされたときにその絶望を乗り越えるために人殺しになったのか。これは議論の余地があると感じる。
もうひとつなのは嫉妬といったが、これはレアなモンスターと戦ったときに生じる戦利品を得ることに揉め事が起きることやアスナなどの希少価値がある女子に対する争いなどを見ると非常にうなずける。生きるか生きないかという現状なのにこういうことでもめるというのは人間の性分なのだろうかと考えさせる。
勿論、私の考えすぎなのだが、こういう考えさせられることが複数あるのは作品として重みや深さがあるというよい面だと感じる。
{/netabare}
(4)キャラクタのよさ
これは長くなるので短く書く。まず、キリトが主人公でよかったと思う。共感できるところも多い一方で、必要な悪がある世の中をどう乗り越えなくてはいけないかということを真剣に取り込む姿は視聴者も共感できるのではないかと感じる。また、アスナは非常によくできたキャラだと感じる。キリトの妹もいいキャラであった。この作者は非常にキャラを作るのがうまいと思う。個人的にもし付き合うとしたらアスナが本当いいと思うわ。(まあ、どうでもいいかもしれないが)
他に、アインクラッド編でキリトが出会ったプレーヤーやフェアリィ・ダンス編での直葉などこの作品はキャラクターがいいからこそ魅力があると思う。
(5)家族の大切さを訴える。
この点は主に二つ目のパートにある。キリトと直葉、キリトとアスナとユイ、アスナのリアルな家族、キリトと彼の生い立ちなどでいえるが、家族や愛情など何かというのを考えさせられる
悪い・物足りない点
(1)先ほどの2と4で述べたように作品の強みはキャラの作成の良さであるが、一人だけキャラの作成はおかしいと思ったのは須郷である。単なるキモい人であるということしかなく、共感ができずに終わり。単なる悪役。面白みも何もない。もしSAOを書き直せる機会があったらまず須郷を書き直し、キリトに倒されるときにフラッシュバックでも入れて、人生を5分ぐらい振り返るようにしたかった。
(2)キリトの後悔。これは実は2期であるのだが、1期になぜ入れなかったのかは分からない。これは少しネタバレになりそうなので作品を見た人なのなら言いたいことは分かると思う。
(3)アスナがフェアリィ・ダンス編ではあくまでもプリンセス扱いされているところ。あんだけ最初のほうは活躍していたのになんか勿体無いと思う。フェアリィ・ダンス編自体がアスナを助けるという趣旨でできた編なのにアスナが活躍したらおかしいという指摘はあるかもしれないが、アスナというキャラが好きな自分としてはなんか物足りなく感じた。
(4)あまりにも悲惨な世界観。個人的に思ったのが果たしてあんだけ自殺者はできるのかというところである。そんなに死ぬか。むしろ、ふざけんなっていうことで生き延びるために戦ったり、どう社会をよくするかとリーダー的な人が出ると思った。あと、個人的に思ったがもう少し政治的要素をストーリーに入れると面白かったかなっと思う。勿論、キリト自身は全くそれに関わっていないから入れるのは難しいがカリスマ的リーダーがもう少し出てもおかしくないと思う。
(5)現実世界の姿。個人的にはキリトたちが戦っていたときに現実世界はどういう騒ぎだったのかとか、キリトが第一層で戦っているときに現実世界ではこういうのが起きているとかもう少し見たかった。これがあったら菊岡が活躍できたかもね。
(6)ストーリーが深いからこそ生まれる障害。
これはいい点なのかもしれないが、あまりにもSAOはストーリーの題材がよすぎるので色んな点から攻めれるのは本当いいと思う。だからこそ多くの視聴者を魅了した作品であると思う。ただし、逆に不満を持つ人もいる。ここの場面はなんでこうなったの?とかここを描いて欲しい!とかなんでこのキャラクタをもっと深く描かないの?とか色んなところを攻めれる。ただ、そういう意見にはきりがなく、25回という小さい枠の中でどう最善な作品を届けるので抜けているのかもしれない。
結論:SAOは良さが際立っていて、正直言ってこの悪い点を考え付くほうが難しかった。見応えがある作品なので是非みてください。