Baal さんの感想・評価

3.9
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態：観終わった

螺旋を描くこの世界の矛盾が見出すものとは・・・

奈須きのこによる長編伝奇小説を原作とする

劇場アニメ全八章の第五章です。原作未読。


これまでの事件から少ししてから式は街中で自分は

人を殺したと言う少年臙条巴と出会う。

巴と過ごすうちに何か奇妙なことを感じた

式は巴が住んでいたというマンションに向かい

そこでそのマンションのからくりに気づくのだった。

そして幹也と橙子はそのマンションに行くことになるの

だった・・・


式と巴の奇妙な共同生活の中でお互いが殺人を

犯しているということを語り合ったりと

生活形態も奇妙なんだが、そこでの会話の内容

も奇妙なことが多かった話だった。

またこの話はDNAの螺旋のように二本のライン

つまり二つの時間軸として進んでいた

ように思いました。なのでところどころ時間が

戻って違う視点の描写が入ったりと時間の

流れを無視したかのようなところを感じ少し

困惑するようなところがありました。ですが

それもまたつながっているはずの二つの

らせん構造がどこかで矛盾を起こしているのかも

しれないというようにも捉えることができ、

らせん構造が二重に存在していることと

うまくかけ合わせているように思いました。

空間の中に作り出した正しき存在とそれが導き

出した矛盾という二つの相反する存在が

この式とそして橙子さんを含めた魔術師たちの

戦いの意味付けをしているのかなと思いました。


この話でこれまでの事件などの意味や理由が

見えてくる部分があったのでそれはそういう事

だったんだと思えてよかったです。

また、魔術師やその学校が存在しているという

事実と意味が新たな謎として湧き上がって

来たようだったので次章以降も楽しみになりました。

かなり重厚なストーリーだったように思いました。