雷撃隊 さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 3.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
あと少しで完全な映画
2199の総集編がなんだかなーだったのでこちらの感想書きます。
こちらはなかなかいい総集編だ。ヤマト1の全体の印象を上手く伝えている。主人公は沖田艦長で古代たちはサブキャラ扱いだけどそれぞれの役目がきちんと描かれている。全体の構成で気になる点は2箇所。前半の戦闘シーンの説明的なナレーションの多さとラストのデスラー艦との一騎打ちがゴッソリ無くなっている点だ。あと20分長くしてこの点をクリアしていたら完全な映画だっただろう。しかしここをこうすれば、と考えてしまうのは総集編の常なのでまあ許容範囲だ。
冒頭、ショボい装備の地球艦隊がフルボッコにされ全滅。そして無敵の新型戦艦ヤマト発進後の快進撃。初ワープ、初波動砲等の重要なシーンがいささか説明的ながらもヤマトのハイスペックぶりが表現されている。芯となるのはドメル艦隊との決戦とガミラス本土決戦だ。前半に無敵を誇ったヤマトがズタボロに傷つくのでその死闘ぶりが印象に残る。このダブルヘッダーとも言うべきシーンは音楽の使い方といい間の取り方共に映画的になっておりTVよりも向上している。七色星団の戦闘は2199よりも鉄臭くオイル臭くそして血生臭い。戦闘の後の水葬のシーンも昭和の映画にしか出来ない味がある。戦争映画的な悲壮感と激しさはこちらの方は上。本土決戦の酸の海のシーンも恐怖感というかヤバさが半端無い。この2つの戦いを切れ目無しに連続で描かれているのでイスカンダルへ到着したときの「思えば遠くへ来たもんだ感」も効果的だ。古代守が生存しておりスターシャと無事結ばれるし、やはり希望があっていい。少なくともこの時点ではハッピーエンドだ。続編で西崎に殺されるけどまあそれは先の話・・・
デスラー艦との一騎打ちが無いので雪が死んで生き返るシーンは無し。ストレートに無事生還する。ラストの沖田艦長の「何もかも、皆懐かしい」の台詞と共に主題歌「宇宙戦艦ヤマト」が流れるシーンもTVよりも向上。ヤマト1のラストというとこちらの方が頭に思い浮かぶ。結局TVと総集編で一長一短だ。2199の総集編とこちらと見比べるのも面白いだろう。
この映画1を切り張りしたのは舛田利雄。旧作全シリーズでメインスタッフを務めている。彼は真珠湾攻撃の映画「トラトラトラ」がきっかけでヤマトに参加。「日本海大海戦・海ゆかば」「二百三高地」「零戦黒雲一家」「零戦燃ゆ」など戦争映画を沢山撮っている。この辺が新作スタッフとの差だろうか。石原裕次郎や三船敏郎を動かした監督と出渕裕じゃ比較にならんほど差があり格が違う。作画レベルを除けばこちらの総集編の方が秀逸だ。