「涼宮ハルヒの憂鬱(TVアニメ動画)」

総合得点
89.4
感想・評価
7761
棚に入れた
33264
ランキング
81
★★★★★ 4.1 (7761)
物語
4.0
作画
4.0
声優
4.1
音楽
4.0
キャラ
4.2

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ネタバレ

Kuzuryujin さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

「ライブアライブ」「射手座の日」こそすべて

2006年の初めての放映の頃はTVアニメ自体から全く離れてた時期だったし
ラノベも興味なくタイトルすら知りませんでした。

これ観たのはアニメをまた観るようになった、2009年版放映後でのDVDが出た2010年頃。
『涼宮ハルヒの憂鬱』ってなんか変な題名で内容に好奇心がわいたので視聴。

SF&ファンタジー設定ある割になんか地味だなあと思いつつも
キョンほかアニメの登場人物と同じように、
ハルヒという強烈なキャラに引っ張られて最後まで付き合わされた感じで視聴完了。

今作のパロディの『涼宮ハルヒちゃんの憂鬱』の方が爆笑できるし短時間で全話観終えられるのでよく観返します。

今作では、自分にとっては「ライブアライブ」「射手座の日」という神回がすべてと言える。
これは今作のあらゆる不満を吹き飛ばすほどの存在で、今は観返すとしてもこの2話ばかり。

「ライブアライブ」はこの回で脚本・絵コンテ・演出を担当した
ヤマカンこと山本寛の才能が遺憾なく発揮されてて素晴らしい。
ヤマカンは高校時代にバンドでドラマーだったそうでドラムの描写の拘りがすごい。
ここでの劇中歌「God knows...」は今でもよく聴きます。
自分はロックギター大好きで自分でもギター弾くのでこの曲のリードパートがたまらなく好きなんです。
ハルヒの見事な歌唱とリズムギターに、
有希のギターのワウペダルとディストーションによるドライブトーンが絡み付き、
そしてドラム&ベースのリズム隊の一体感が素晴らしい。

長門有希の弾くギブソンの白いSG Specialは、レコーディングメンバーの
スタジオミュージシャン西川進氏の当時の愛器をモデルにしたもの。

ええ、そりゃ劇中、魔法使いの衣装でSGを弾く長門に惚れちゃいましたよ。
涼しい顔してあんなかっこいい超絶技巧のイントロやソロ弾かれちゃたまりません。{netabare}
そして二曲目「Lost my music」が始まると、ステージから
人影のない(全校生徒のほとんどが体育館に集結しているため)校舎内の映像になるんですが、
これは2005年の山下敦弘監督の実写映画「リンダ リンダ リンダ」のオマージュになってて、
そこでハルヒが弾いているギターが、映画の中のガールズバンドの
ギタリスト(演:香椎由宇)と同じもの(Italia Guitar Mondial Classic)だと初めて気付きました。

映画を観ていた自分は、ヤマカンのセンスにニンマリしたことを覚えてます。

またこれも有名な話ですが、
ハルヒの演奏時の表情は、平野綾さんの歌入れのレコーディングを撮影し、それを基に作画されたものだとか。
平野さんには目的を伝えておらず、てっきりDVDなどの映像特典用に撮影していたと思ったらしい。
{/netabare}

「射手座の日」の面白さは半端無く全話の中でも別格です。
{netabare}
OO他のガンダムシリーズも担当したことあるメカニカルデザインの海老川兼武氏が今回のみ、
あの宇宙艦艇を担当してるせいで他の回とは、全く違ったテイスト。
またSOS団の部屋で同じカメラアングルで何回か皆を映すんですが、
長門がノートパソコンを全くのゼロから熟達するまでの描写と
PCゲーム内の誰もがわかるパロディがかなりのツボでした。
{/netabare}
第1話(2009年版では第25話)での劇中歌「恋のミクル伝説」はジャンクフード的魅力。
チープな伴奏と後藤邑子さんの演技上の音程の外しっぷりが中毒性あって意外とよく聴く一曲。

あと全体的には、クラシック好きでもあるので挿入曲に
マーラー『交響曲第8番』とか使ってて、実に音楽センスが素晴らしい!
これもシリーズ演出という役職だったヤマカンのセンスが反映されてたそう。

他にも魅力はたっぷりなので一見の価値あるオススメの作品です。

投稿 : 2015/04/26
閲覧 : 351
サンキュー:

10

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