無心 さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 3.0
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
愛すべき主人公比企谷君
これは、ぼっちである主人公比企谷君を愛でるアニメである。
主人公比企谷君はアニメの主人公にしては一風変わっている。
○主人公補正が一切かかっていない
○友達が1人もいない
○言うまでもなく彼女もいない
○目が死んでいる
○ぼっちに誇りを感じ、極めようとしている
○リア充を恨んでいる
○ひねくれている
○将来の夢は専業主夫、希望勤務地は自宅
○比企谷菌にバリアは効かない
なんだか…ここまでくると可哀想だよ。こんなに作者にフルボッコされる主人公なんて…。
そんな比企谷君を見兼ねた教師が奉仕部に無理やり入部させ、同じくぼっちの雪ノ下雪乃や由比ヶ浜結衣らと共に、部に持ち込まれた問題を解決していく。
誰かの好意にあっても比企谷君はそう簡単に乗ったりはしない。優しくされると裏があると疑ってかかる。しまいにはその好意をはねつけてしまう。
リア充を横目に、あんなめんどくさいことしてまで友達やるくらいなら一人でいいとぼっちを肯定している比企谷君だが、誰とでもソツなくこなせるのに敢えてそうしないのではなく、彼には本当に友達がいないのだから痛々しい。
比企谷君の語りも見所の一つだ。
「俺に優しい人間は他の人にも優しくて(中略)だから優しさは嘘だ」
→おっしゃる通り、よくぞ言ってくれた
「1%なんて誤差だ、切り捨てろ」
→その発想はなかったわ
「青春とは悪であり、嘘である」
→いや…何もそこまで言わなくても…
など、結構核心をついた台詞が随所に見られる。比企谷君の台詞の節々から、本当はみんなと仲良くなりたいというさみしさが伝わってくるようでなんとも切ない。でもそれを表現出来ない、というより諦めてしまってる感じ。ストーリー中にトラウマの原因となった過去回想が挟まれるやいなや、胸が締め付けられそうになる。
もう「私が友達になってやるから元気出せ‼︎」と言ってやりたくなる。そう言ってみたところで、比企谷君の方が友達になってくれなさそうなので、なんというか本当にめんどくさい性格をしている。
部に持ち込まれた問題をぼっち特有の理論で解決するところも斬新で面白い。理屈っぽくて色々とこじらせてしまっているけど、比企谷君は本当はいいヤツなのだ。もっとみんなに愛されていい。
大事なことなのでもう一度言います。
これは、ぼっちである主人公比企谷君を愛でるアニメである‼︎