名無氏 さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
幻想的な世界
世界観に驚いた。
前半では村社会での争いが絶えず、そこに主人公が平定して王座につきます。
羽の生えた人間も登場し、「仮想の中世社会か?」と思わせられました。
しかし、後半では主人公が科学の発達した時代で実験台になされていたという設定や、人類は地中深くに住み、地上に出られないという設定がでてきます。
ここでやっと羽の生えた人間たちや怪力女などは、地上に生き延びた人類が独自の進化をして生き延びた子孫などだとわかりました。人類が地上に出られないのは、おそらく核戦争や環境破壊により生態系を保持できなくなったからでしょう。
そして後半の出てくるエヴァのような機械は人間が太古に残した文明の名残であるということも判明します。そして主人公はすでに人間としては殺されており、その名残りの血が機械に宿ったという設定も判明します。
最後はそのような文明を超えて、地上に出た人類が新しい未来を形づくっていく、というストーリーです。
分裂した二つの「神」と「神」は、争います。
「人類は我々に見守られながら、時には必要に応じて支配されるべきだ」という神
「そのような支配は許されない、人類は自由に生きるべきだ」という神
そして後者の神が勝利し、人類は自由を手にしたのでした。
おそらく、過去の人類の遺産が、現代に生きる人類を肯定したと解釈していいでしょう。
つまり、神は人類を見捨てもせず、支配もせず、人類の存在を認めたのです。
まさに「神は死んだ」のではなく、「神は人類の世界を認めた」ということです。
過去の争いにより滅びた過去の人類が、現代の人類を認めた。それは世界平和が現代人類の中に希望として見出されるという事実に他なりません。
神としての主人公は人類に希望を託し、深い眠りにつきます。おそらく、また世界に神が必要とされる日まで。
本当にすごい世界だった。ありがとう!