於IlyicとVan さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:今観てる
アハ体験というか、「気付き」
要は、感受性の問題。
たとえば、Gのデザインひとつ取っても、
色使いからして、先進的にポップで、中間色を鮮やかに描き出してる。
めざといカッコよさよりも、
新しい味や愛着が徐々ににじんでくるような方向性を優先したのだな、と。
こういうのは、柔軟な人や、むしろ小学生あたりなら、
感じ取れる良さはある。
まぁ作劇としても、分かる人には分かる、っていうほどのものでもないはずだけど、
少なくとも、この世界観を受け取れる人の手元に届けば、ある程度は成功だし、
だからこそ、そのために、そういう余裕のある家庭に過不足なく届くように、
親は、子供の成長段階によって、この録画を、いっしょに見て、あれこれ考えたり話したりして、
あるいは子供は自分でも分かるまで繰り返し鑑賞するようになる、という成り行きがむしろ良い。
独特のセリフ回しは、過去にアニメの客層を押し広げた方法論を、
2010年代なりに実験的に掘り下げて、客をふるいにかけてる可能性も、ひとつ、アリだと思う。
ところで、8話で、なるほどと思ったのは、
「仮面」という小道具の扱い方が、
テンプレを逆手に取って、珍しい展開を成していること。
『 分かりやすいほどに恋人と互いに分かりながら、
現場の最前線で、他人行儀の立ち振る舞いを固持せざるを得ない 』
と言うような、複重構造の劇づくりが、横並びのアニメではあまり見れない薫陶を持ってる。
つまるところ、アハ体験というか、「気付き」を積極的に汲み取っていかないと、誰にとっても将来的に損失だということ。
脱ゆとりのためにも。