fluid さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
恐怖心の描写が素晴らしいアニメです
1000年後、超能力者によって崩壊した世界と生き残った人類のお話。
■恐怖心
なにか正体が分からないものへの恐怖心。
子供だけでなく大人も含むすべての人類が何かにおびえて続けている、そんな世界観が印象的なアニメでした。
設定が難しいという感想も多いですけど、【何か分からない】を演出の一つだと思って分からない状態を楽しんでいただきたい作品です。
■視点が面白い
力に目覚めた主人公の視点で展開するアニメが多いのに、このアニメは真逆の視点、力を向けられる側が恐怖するという視点で展開していくのが新鮮でした。
■同性愛要素が少し
女の子同士、男の子同士、、同性愛設定はいらないですね。。
サブキャラの男の子がオカマっぽいシーンはちょっと笑えましたけど(笑)
{netabare}
モンスター扱いして何も感じずに殺してきた敵が実は人間だったっていう展開はさすがに驚きました。
悪鬼や業魔が実は人間だったとか、
大人が不浄猫を使って子供を殺しているとか、
バケネズミが実は人間だったとか、
最初はモンスターだらけの世界で人類が生き延びるっていう構図だったのに、
最終的に、人類同士で争ってただけじゃんっていう落とし方が凄いですね。
誰が敵なのか分からないハラハラする展開でしたけど、結局、人間の敵は人間、自分の敵は自分の中の心の闇、みたいな流れがカッコよかったです。
最終回の一言「何が正しいのか分からない」
まさにこれがこの作品のメインなんでしょうね。
一人の視点で見えてる世界なんて小さなもので、視点を変えれば別の真実が見えてくる。
正義感や倫理観なんていうのは視点を変えれば簡単に逆転しちゃうってことですね。
アニメとは関係ないですけど、現実社会にも似たような部分多いですよね。
例えば、過労死や自殺者が多すぎな日本。
高度で便利な生活が当たり前のように感じてますけどその代償は確実に存在するわけで、便利な生活を求めてない人にさえ等しくその足かせが付けられる。
大げさな話、国民一人一人が国民一人一人の奴隷、100%本当の奴隷ではないけどその割合を表した数値が税率なんじゃないかな。みたいな(笑)
ある意味、日本に生まれた時点で生き方をすりこまれてるわけですね。
まりあの子供がバケネズミに育てられて可哀想なんて思っている自分たちも、気が付かないだけで同じような状況なのかもしれない、、
なんて考えたらちょっと怖いですよね。
でも、可哀想って言うのは周りから見た視点なんですよね。
バケネズミの仲間が死んだとき叫んでましたし、まりあの子供自身はバケネズミで幸せだったのかも?認めたくはないですけど(笑)
ちょっと脱線しましたが、新世界よりは驚きの連続でホント面白かったです。
{/netabare}