退会済のユーザー さんの感想・評価
3.2
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
タイトルなし
【面白い】とはちょっと違う、楽しいアットホームコメディ。
各ヒロインにスポットをあてたエピソードを二話完結にした構成は良かった。
正直、ストーリー自体は平凡としたものなので、これをじっくり三話とかかけてやられるよりも、二話完結にしてテンポを速めた方がはるかに観やすい。(ゆりかのエピソードは別格の出来の良さだと思うんだ)
登場するキャラクターは基本的に可愛い娘ばかりで、終始楽しい。
……が、残念なことに、キャラクターの掛け合いが妙に退屈に感じてしまう。
エピソードを進める為の最低限のやり取りしかしていないからなのか判断はできないのだけど、例えばティアとキリハの腹の探り合いとか主人公との会話よりも、キャラ一人一人のアクションだけの方が面白かったりする。というのを、この作品ではゆりかが証明してしまっているような気がするんだよなぁ。晴海先輩との会話にしても、面白いのはゆりか一人であって、晴海先輩との掛け合いではないのだ。
どの組み合わせにしても、ボケ&ツッコミと言えるだけの掛け合いにまで至っていない。コメディーは元々そういうものなのかもしれないけど。
とはいえ、それならそれで、六畳間がコメディーに貢献しているワケでもない。
本編を観れば分かるけど「六畳間関係ねぇ……」な内容が多い。体育祭辺りでもう役目を終えた感がある。
結局のところ、キャラクターが可愛いから良いっちゃあいいんだけど、もうちっと六畳間が前に出てきてもいい気がするんだよな。
思うんだけど、アパートの管理人という設定を主人公に加えることは出来なかったんだろうか。
そうすれば、もっと作品としてカチッとハマったような気がしてならない。侵略者に対して、住人は弱いが管理人は強い、という構図自体は面白いのだし、母親を失った経験からくるという主人公の「必要以上に人を頼らない」傾向も、もっと強調できただろう。(Wikiにて主人公についてそのような説明文が書かれているのを見た時は困惑した。どこにそんな描写が……?)
色々と「どうなのよ」とツッコミたくなる要素は多かったのだが、ダラダラと最後まで観たのは、ひとえにゆりかに依るところが大きい。
本編一番のエピソードはゆりか回だろうし(最後の快活な笑顔のカットは反則じゃない?)、何気に作中での功績も高く、侵略者勢の中で「応援したい侵略者」で言えばぶっちぎりで一番なのがこの娘。弄られキャラで不憫なのに、調子に乗ると微妙にウザいとこも含めて、とにかくかわいい。
自分的にはシリアスの重さ的にも、コメディパートにしてもやや中途半端で、同監督の「のうりん」の劣化版、というイメージは拭えない。ついでに言えば本作の「侵略」の使い方が【謀略のズヴィズダー】の「征服」とほぼ一緒というイメージも拭えない。
が、まぁとにかく楽しかったよ。