STONE さんの感想・評価

3.3
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態：観終わった

イタタタタ！

　原作は未読。
　民営化された刑務所で、囚人によるアトラクションで収益を
得るというアイデアが斬新。
　しかし、このアトラクションを基軸に置いたデスゲームもの
だと思っていたら、それは序盤だけ。
　話は、G棟内での能力バトルが中心になってしまう。この
バトル自体はそれなりに見応えがあったが、G棟は一般は
おろか刑務所の職員さえ知らないような極秘の施設。
そうなると、単なる地下収容所でもいいわけで、せっかくの
民営化刑務所という設定が生きてこない。なんか
もったいない。

　このデッドマン・ワンダーランドだが、管理する側からして
狂っており、まさに狂気が支配する世界。ゆえに登場キャラも
異常な者が多い。凪のような温厚で誠実な人でも現実に
絶望して現実逃避した世界に生きており、見方によっては血に
飢えたようなキャラより狂っている。
　そんな中、天神乱漫なシロは作品世界における清涼剤の
ような存在。しかし、よくよく考えるとこの狂った世界で
おやつのことばかり考えているようなシロが一番異常
なんじゃないかと思える。実際、話が進むに連れて、彼女こそ
がキーポイントになってくるみたいだし。
　殺伐とした状況だからこそ、主人公の丸太が触れることに
なるやさしさや触れ合いが一層貴重なものに映るわけで、
そういう意味ではある意味不快なこの状況も意味があるか。

　映像はかなりグロくて、例によって規制が入りまくりで
見づらい。
　他にもグロいアニメ作品は色々とあるが、この作品で
印象的なのはすぐに殺されるより、眼球を取られたり、
外皮から切られたりという痛そうな映像。個人的にはグロい
作品はそれほど苦手ではないのですが、人の傷を見たり
するのが苦手で、前述のようなシーンは見るからに痛そう
でした。
　しかし、デッドマン・ワンダーランドが狂気な場で
あることを印象づけるには、グロい映像は効果的で
あったように思える。

　原作は連載中みたいで、この作品もストーリー途中で
終わり。まあ、しょうがないか。
　この作品に関して、一番の不幸は震災直後の一番殺伐とした
モノが望まれない時期に、放映されてしまったことでは？。