Lovin さんの感想・評価
3.4
物語 : 4.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
観た感じ
■概要{netabare}
原作:竹下堅次朗(「ウルトラジャンプ」連載)
監督:池端隆史
脚本:野辺朋史
キャラクタデザイン:木下裕孝
制作:ゼクシズ
話数:全3話
OP:「神様の贈り物~Naked Angel~」
by Millio
ED:「幸せ日和」
by 花村怜美
{/netabare}
■感想
原作漫画は未読でレンタルDVDを視聴。不幸に見舞われる話。
父親から「不幸だけを与えられる運命」を引き継がされてしまった主人公の自宅が、火災で焼失するところから物語が始まる。一夜明け、再び絵に描いたような展開の不幸に見舞われた際から、天使の幻覚が見えるようになってしまったが、その天使曰く、不幸のみの運命をサポートするために派遣された、と言うのが基本的な設定だ。
第1話は、主人公と天使の出会い、帰る家を失った主人公がこれから世話になる叔母の家、そして人間界が初めてだと言う天使の人間社会に馴染もうと努力する姿についてが描かれている。これがなかなか微笑ましくてほっこりする。人間の世界が初めてなので無垢なうえ、(天使なので)毒が無いところが応援を誘う出来だった。
第2話は、主人公の友人・学校での人間関係、其処に馴染もうとする天使の姿を中心に描かれる。基本可愛い設定であり、第1話からは想像もできないほど知識も蓄えているらしく学業にも秀でたため、クラスにはスムーズに受け入れられた。だが主人公の悪友には天使の正体がバレそうになり・・・
第3話は少し趣が違う。主人公のクラスメイトを中心に描いており、主人公の不幸をサポートする、という天使の大義名分とは殆ど関係ない。だがこの話はなかなかに良い話だった。余り多くは語りたくないくらいに。クラスメイトの努力と過去のトラウマがあり、天使の最高のサポートが光っていて、それ程深い話だとも思えないのに良かった。
この作品で懸念されるのは、{netabare}天使が基本裸であることだ。その筋の方々には歓迎されそうな、羞恥心の無い幼女の裸体が惜しげもなく描かれている。大事な部分を護る乙女ガードは鉄壁ではあるが。なお羞恥心に関しては、人間の姿になることで身についたようだが、{/netabare}傍目には良いイメージに移らない可能性が高いことだろう。
キャラデザは、個人的には可もなく不可もなくと感じたが、主人公の顔は天地無用に出てきそうな雰囲気があった。だが作画には、時折トロンプルイユを彷彿とさせる微妙な部分が散見された。
キャストは、正直なところ私の知る名前が少ない。だが主要キャラについて調べてみたところ、私が知らないだけで今も活動されている方ばかりで、改めて声優に関する知識が私にないことを主張しておきたい。因みに矢部雅史の名前だけは知っていたが、主人公役を観るのは初めてだ。
OP、ED共に悪くないが、私は曲調や歌詞にタイトル通りの雰囲気が溢れるEDがお気に入りだ。シュビドゥビだとかパヤパやだとか、スキャットが入る曲は嫌いではないし、少し落ち着ける。
全体的に「これぞOVA」という雰囲気が漂い、懐かしささえ感じた良い作品だと思った。人に奨められるかを考えてみたが、懸念されるシーンに食いつかないという条件付なら万人に奨められるだろう。原作の連載はウルトラジャンプだが、余り高くない年齢層にも奨められそうだと感じた。
□2014/11/02追記
言いたいことが一点だけ抜けていたので。この作品では相手を制する(話を遮ったりする)場合、地獄突きが用いられる(チョップなのかもしれないが)。第2話で初めて登場する技だが、そのシーンはそれなりに衝撃的であった。
■蛇足{netabare}
ところでこの作品、私が観終わった棚に入れた今でも「棚に入れて人0人」と表示されるのだが、
ウルトラジャンプに連載されたのに、本当に知名度0なのだろうか。
{/netabare}