退会済のユーザー さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
非現実上における現実的表現 ~「カネ」で紡がれる世界の一節~
この作品で描かれていたもの、それ即ち「カネ」なり。
金を賭けて「ディール」即ち「戦闘」を行う。
敗者は堕ちる。勝者は誇る。
たったそれだけのシンプルなシステムによって紡がれる物語、それこそが「C」の根底にあると言えるでしょう。
賭博や金をテーマとした他作品の代表例としては「カイジ」が挙げられますが、カイジで行われている賭博には確固としたリアリティが存在します。
実際に諸外国のウラなんかで行われていても、何ら不思議では無い行為のオンパレードです。
しかしながら「C」にはソレが無い。
「ディール」という全くもって真新しい賭博のシステムによって、より鮮明にカネの存在と形態を表現する。
「しょせん金は金か、あるいはそれ以上のものか」
これは本作でのみ、答えがリバースする質問です。
何せ、賭博によって未来を失うこともある訳です。
実際にはありえない。だけれど、本作で描かれる「賭け」は、少なくとも金以上に重要なモノを無くす、あるいは亡くす危険性を孕んでいる。
その「リアルじゃできないリアリティ」は、視聴者に最上のスリルを与えるモノであると考えられやしませんか。
賭けという「リアリティ」を「非現実上」で演出する。
新しい「賭博モノ」の存在意義と面白さを生み出してくれた作品だと思います。ありがとう。