あしすと さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
二つの意味で「アニメ」ではなく「邦画」でした
まず、一点目。
これは個人的な話になるのですが、この作品は自分の現実の生き方にかなり近い作品でした。
…というのは、ちょっとお恥ずかしい話なのですが、僕自身がこの作品「氷菓」のような生き方を普通にしているということです。
つまり、日常のひとコマに理由を求めてしまう生き方。
推測・推理・推論・分析を常にしてしまう生き方。
それこそ、「なんでこのTV番組はこういう演出にしているんだろう?」「このお菓子が別の似ているお菓子よりおいしいのはなぜだろう?」と考えてしまう生き方です。
なので、この作品を「難しい作品」と感じることはありませんでした。
ものすごく共感しながら全話見ました。
そしてその結果、ものすごく疲れました(笑)
だってそうなりますよ。
実は、自分自身こういう生き方が疲れるということは自覚しているのですが、それを思い出させられるようなアニメをわざわざ見ている訳ですから(笑)
プロフィールにも書いているのですが、自分は「中二バトル」「ラブコメ」「ギャグ」が絡む作品が好きなジャンルです。
なぜかというと「やらなければいけないこと」以外の時間は脳を緊張させたくないからです。
なんて言うと主人公の折木くんみたいですね(笑)
でもこれは、折木くんを意識したわけではなく、本当に自分自身の考え方なんです。
アニメを見て疲れる、本末転倒です。
そして、これと似たような感覚になるものを自分はよく知っています。
それは「脚本のよくできた邦画」を見たときです。
自分は脚本がよくできている邦画を見ると脳をフル回転させてしまってドッと疲れるんです。
だから最近はあんまり見ないようにしていたんです。
※ちなみに、脚本がイマイチの邦画やドラマではそこまでの感覚にはなりません。脳を使う必要がないからですね。
そして、この作品。
「邦画」と同じ感覚になりました。
脳をフル回転させるに値する脚本だと無意識に感じたのでしょう。
それが、この氷菓という作品を自分が「アニメ」ではなく「邦画」と分類しているのだと気付いた瞬間です。
そして二点目。
これを「アニメ」と分類するなら、自分の中での神アニメには一歩及びませんでした。
その、もうひと押し足りないと感じた部分とは…僕の大好物の「ラブコメ要素」です(笑)
「恋愛」ではなく、あくまで「ラブコメ」です。
ぶっちゃけ、同じストーリーのままでキャラクターにラブコメ的萌え要素があれば、歴代ベスト5には入る神アニメでした。
でも、それこそ僕の個人的好みです。
どんな作品であろうとラブコメ要素をプラスすると、作品全体にジャンクフード感が出てしまうのは否めませんから。
そういう意味でこの作品の原作者は、サブカル好きに受けそうなジャンクフード感よりも、一般受けしそうな重厚感を優先したんだろうな~、と思いながら見ていました。
そして、全話視聴後にウィキペディアで調べてみたらビックリ!
この作品の原作、元々はラノベだったものの、その後の紆余曲折で移籍して、今は一般小説なんですね!
そりゃあジャンクフードにはしないわ。
…というのが二つ目の理由です。
つまり、「一般小説原作」「特にサブカル層に媚びるような演出なし」という部分ですね。
さらに言えば、作画は本当に綺麗だと思いましたし、音楽もこのまま劇場版になっていてもおかしくない感じでした。
というわけで、物凄く面白かったけど、見るのにめっちゃ疲れてしまった、というのがこの作品の自分の評価です。