kids さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
人間の心理の「深理 (真理)」を描く
原作は小説です。終始シリアスで緊張感漂う展開が特徴的でした。
★あらすじ
1000年後の日本では、人々は呪力を用いることが可能となり、神栖66町では、バケネズミと呼ばれる動物を使役して、平和な生活を送っていた。そこに暮らす渡辺早季を始めとした少年少女達がこの世界の歴史の秘密を知りながら成長していく。
★ストーリーについて
物語は渡辺早季を始めとした5人組が12歳のとき、14歳のとき、26歳のときの三部に分かれます。
話はシリアスで重たく、雰囲気も暗いし、登場人物は生き生きとしていないし、感情移入しづらいし、世界観もつかみにくい。特に序盤は観るのが辛い人もいるのではないでしょうか?
でも我慢して見続ければ、この作品独特の緊張感や謎がとてもいい味を出してきます。次々に明らかになるこの世界の謎は、人間の心の暗い部分をうまく映しだしていたと思います。最終話の最後の最後まで謎は明らかになっていくので、気を抜かずに楽しみましょう。
この作品から特に強く感じられたのは人間は恐怖という名の支配から逃れるのがとても大変であることです。{netabare}より安定した平和な社会を求めた結果として、自らの呪力が暴走する恐怖、社会から消される恐怖・・・など常に恐怖がつきまとうことになったのはこの作品における最大の皮肉でしょう。かといって、僕達が同じ境遇に立たされたとして、この作品と異なる1000年を歴史として積み上げられるとも思えませんでした。{/netabare}より安定した生きやすい社会を求めることも、自分が生き残るためには、恐怖を振り払うためには、人間は時にあらゆる犠牲を払うことも厭わない残忍さを持っているのも事実ではないでしょうか?
★最後に
作中いろんな意味でグロいシーンがあるので、万人におすすめはできないかもしれません。ですが世界観に入り込まずに、冷めた視点で世界観を観ることができればとても味わい深い作品だと思います。