Baal さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
Myself;Yourselfが導くその先へ・・・
有限会社レジスタ(Regista)により開発され、
その後イエティ(Yeti)より発売された
恋愛シュミレーションゲームを原作とする
作品です。全13話、原作未プレイ。
5年ぶりに故郷に帰って来たこのアニメの主人公
日高 佐菜は幼馴染たちと再開する。
そしてそこから彼らのピースははまらなくなり
並べ替えられていく・・・という感じの物語でした。
まずこの作品には不思議な表現があるように
思いました。
それは{netabare}彼ら、彼女らの心の揺らぎや葛藤、そのあり方と
実際にそこで取った彼ら、彼女らの行動に少し
かけ離れたものを感じた{/netabare}ということです。
私自身がそんな感情を持ち、心を揺らし、行動を
取るということは一切しないから、分かるはず
さえもないのに、この作品にはそう感じざる
を得ないものを見出したように思いました。
その理由としては{netabare}一番大きなものとしては
行動形態に違和感を感じるということです。
実際、彼ら彼女らは各々の現在の状況とそこに
至る過去の記憶や出来事にそれ相応のものを
感じるのですが、それぞれの取る行動に
現実味を感じませんでした。それは心の理想で
あって実際の世界において実現させるのは
少々条件が足りないように思います。
それもここに存在している彼ら彼女らの親が
親でないことが多数存在していることに
関連しているのではないか{/netabare}ということを思いました。
それから、登場人物のすべての表現でなく
作品として最後に少し穴埋めができていないように
思いました。
{netabare}彼ら彼女らが各々の判断でそれぞれの
行動を起こしているのですが、起きる経緯
違和感があるのは前にも述べていますが、起きたあとの
その先を放置しているのではないかと思います。
彼ら彼女らが己の頭で導き出した答えに従い
行動した・・・でそのあとはと思います。
確かに10年後という形で簡単に仄めかすような
表現はいくつかありましたが、その
仄めかしているところが前回の心情から
大きく飛びすぎていると思います。
(それは間を入れずに持ってきたので
そうなって当たり前というところですが)
それもまた彼ら彼女らの行動と心がずれている
と思う理由の一つかもしれないと思いました。{/netabare}
逆に捉えれば、そうであるからこそ心の揺れ動きと
判断がうまくいかない10代半ばという
ところを表現しているとも思えてきます。
そうした表現が私にこの作品が不思議だと
思わせているのかもしれません。
それから、OPとEDですがOPには「閉じ込めた記憶」
と「綺麗な未来(あす)」という
止まった時と動き続ける時をイメージする
二つの歌詞が、EDには「ねぇ、悲しみは、そう、
悲しみは 同じ向きじゃなくて・・・」と
あり、それぞれ違う向きのベクトルが
動き出しているということ言っているように
思います。(個人の勝手な意見です。)
それもまた上の方で述べていた矛盾のようで
矛盾でない表現と重なっているのかなと
思いました。
総評としては多方向から捉えることで
深く見れる作品だと思いました。
◆個人的点数評価 81.115点