ossan_2014 さんの感想・評価
2.2
物語 : 1.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 1.0
状態:観終わった
悪いのは「エロ」なのか……本当にそうか?
エロ描写に対して、BPOや放送コードや放映時間を上げて評価の理由にしている人が多いようだが、そんなTV局の営業方針の都合を視聴者が忖度して、アニメ作品の描写の評価基準にする必要などない。
製作者は、必要であるならば、どのようなエロ描写であろうと展開すればいいのだ。
問題は、物語内でのエロ描写の生み出される理由だ。
主人公は、エロ描写と呼ばれる痴態をさらすことを全く望んでいない。それどころか、これによってトラウマ級の心の傷を負っている。
にもかかわらず、痴態を曝さざるを得ないのは、取りついた幽霊の強制によるものであり、死をもってする脅迫に、主人公には対抗手段が一切ないばかりか、その理不尽な、一方的に自身の都合を押し付け交渉を拒絶する言動によって、共感による納得の道を探る事さえ不可能な状況に置かれている。
一方的に性的な暴力にさらされているといってもいい主人公は、言ってみれば人格をレイプされ続けているのと同じことだ。
不気味なのは、この作品世界がコメディとして構築されているようにみえ、そのふわっとした世界は、主人公のレイプの犠牲の上に成立していることだ。
あたかもクラス内でいじめを受けている子供に、「私たちが楽しくやっていくためなんだから、お前は黙っていじめられ続けていろ」と命令しているかのごとく、作品全体が「我々の世界の成立のために、お前はレイプされ続けろ」と言い放っているかのようだ。
とてもではないが、コメディとして笑ってみていられる状態ではない。
主人公を救おうとする動きは作品内では描かれることはなかったし、もしあるとすれば、主人公が幽霊の事情に同情して納得づくで行動することしかないだろう。
が、幽霊の描写を見る限り、納得ではなく、洗脳に近い強制的な押し付けしか想像することができない。
どうして製作者は、このような構造の物語世界が受け入れられると判断できたのか。
謎だ。
とても他人に推薦できるアニメではない。