「STEINS;GATE [シュタインズ・ゲート](TVアニメ動画)」

総合得点
92.6
感想・評価
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棚に入れた
50961
ランキング
18
ネタバレ

早川景-K- さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 3.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

忘れていた夢を…

(ネタバレを含みます)



忘れていた夢を思い出させてくれたそんな作品。

空想的なSF作品ではよく用いられるタイムマシン、王道の設定がある一方で、ジョンタイターやIBM5100、(作中ではIBNとなっているが…)CERNなど実在の物事の登場や、日本が誇る電気街秋葉原が舞台という設定に、まず、シビレるような衝撃を受けた。
また、アニメに出てくる不思議現象に対する説明を、簡単ではあるが素粒子論や一般相対性理論など、現実の科学の理論を用いて説明している点についても個人的に非常に嬉しかった。SFアニメでは「この現象はこの作品の世界では当たり前の事象である。」と視聴者が認めた上で視聴をし、それ以上の説明を視聴者は作品に求めてはならない、ということを迫られる作品が多いだろう。(もちろん、そういう作品が悪いというわけではない。)そういう作品が多い中で、我々の生きている現実の科学理論を用いてアニメ内のSF設定をしっかりと説明してる作品というのはなかなか少ないのではなかろうか。
そして、アニメ内にしか存在しない非現実的な事象を、現実的な根拠を用いて説明するというこの作品のスタンスが私の心を掴んだ。私事ではあるが、学術的な専攻として私は理論物理学という分野と遠くないところにいる。そんな生活を送っていると、きっと世界の何処かに存在するであろうとかつて信じてやまなかったタイムマシンやタイムリープなどの事柄を、非科学的なただの夢物語だと勝手に決めつけてしまうようになっていた。(正確に言うと決めつけていたいたことすら自覚していたなかった。)この作品は、かつて描き未来には必ず実現すると信じてやまなかった多くの夢を思い出させてくれた。二十歳を超えた男がアニメの影響を受けて、タイムマシンやタイムリープなどの夢を思い出したと言えば、中二病と言われるかもしれないがそれでもそう考えたほうが面白いではないか。考えるのは自由なのだから。

設定の話ばかりとなってしまったが、ストーリーも素晴らしい。仲間と過ごした大切な時間、仲間の想い、そしてそれを譲り受けてもひたすら前に進もうとする心、そういうものを感じた。深く暗闇に包まれたトンネルの中を、つらい思いをしながらも決してくじけずに進み、明るい空の下に出た瞬間には私は主人公に労いの言葉をかけたくなった。これ以上のことは視聴した方々ならば同様のことを感じていると思うため、割愛する。

電気街秋葉原で繰り広げられる長く大切な物語。これは誰かの語りを聞くよりも自らの目で観るべきであると思う。

投稿 : 2014/10/28
閲覧 : 169
サンキュー:

8

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