fluid さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
SNSアプリでつながる人と人、そしてヒーロー、地球を救うのは?
ドラマが素晴らしい!
力を手に入れた女の子が敵を倒す以外の道を探し、悩み決断していくのが見どころのアニメです。
ガッチャマンと聞いて古い感じなのかなと思ってましたけど、
スマホやアプリ、SNS、クラウドが登場したり、
ぜんぜん最近のバトルアニメなのでビックリしました。
しかも物凄いクオリティが高い。
絵も声も音も全部良いのですが、一番はやっぱり人間ドラマですね。
バトルアニメとは思えないほど心理描写が素晴らしいアニメです。
{netabare}
はじめちゃんはいつも元気で何も考えてないように見えて実はものすごく考えてるんですよね。
ただ単に敵を倒すんじゃなくて、
敵がどういう目的で人間に害を与えてるのか、
相手には相手なりの目的(正義)があるんじゃないか、
殺す以外の解決方法を見つけようと努力してる感じが良いですね。
実際、敵を一人も殺さずに解決しちゃってますしね(笑)
あの元気で騒がしい感じが若干わざとらしくも感じましたけど、
常に何か考えてるみたいで、実は何か目的があってああいう態度をとってるのかも?って言う風にも見えるんですよね。
例えば人目をあえて引くことで何かを隠したり紛らわしたり、
それか単純に周りに元気を配ってる?
「元気は正義」という言葉もありますし(笑)
実際、アニメに限らずテレビに出演する芸人有名人でも、なんにでも共通する概念ですけど、
元気ってそれだけで人の好感度UPしやすい要素ですしね。
そしてはじめと正反対なのが先輩君(笑)
これぞ正義のヒーローっていうイメージで、
敵は敵!、敵は倒すべき相手!という感じ。
しっかりしてて心が通ってるように見えるんですが、実は何も考えてない。
固定観念にしばられてる感じがすごく年齢相応の男子高校生っぽくていい味出してます。
この対照的な二人を並べることで、敵とは?正義とは?っていうのを考えさせる、
よりメッセージ性の高いドラマになってるなぁと感心しました。
先輩君で印象的だったのは1話のバトルシーン、
「いかなる者もわが無限の間合いから逃れることはあたわず!」
じゃあ、最初から敵追いかけなくていいじゃんっていう空気がちょっとシュールでした(笑)
ああ、こういうキャラなのかな?と疑い始めて、
次のバトルシーンの台詞で疑いが確信に、
「おい新人!動けないならそこを動くな!」
この人おもしろいわー!(笑)
リーダーのパイパイもちょっと先輩君っぽい感じありますけど、
先輩君と違うのは数百年生きてるだけあって先輩君ほど馬鹿ではない、けど、
責任感や正義感が先走って色々見えてることもあるのに気づかないふりしたり、
はじめちゃんほど自由な振る舞いが出来ない、みたいな。
じょうさんはホントかっこいいですね(笑)
最初、このまじめな公務員だれ?って思ってたら、
え?あのヤンキーと同じ人なの!?って感じで、ギャップが印象的でした。
それなりに歳を取って現実を知ったせいか、
自分を客観的に見れるだけの経験を得て、自分の限界に気づき始めたという年齢。
そんな籠の中にとらわれたような気持ちのまま、最終決戦に突入し、
後輩の一言、
「丈さん、俺はあなたに感謝しています。」
を見てすべてが吹っ切れたのか、飛び出していく姿がめちゃくちゃカッコよかったです。
こうして振り返ってみるとアニメにしてはキャラの人間性が良く考えられてる作品だったんだなぁとあらためてビックリです。
すごく良い作品でしたが、一応気になった点も書くと、
一人の人間があんなすごいプログラムを作るなんてありえないですね(泣)
アニメでよく凄腕ハッカーとか天才プログラマー出てきますけど、
実際にはホント地味な作業、例えるなら複雑な方程式を永遠と解くような、
流れ作業にどこまで精神が耐えられるかみたいな地味な作業なんですよね、実は(笑)
あと、たとえ開発できたとしてもそれを実現するためのハードウェア、ビルの1フロアじゃ到底足りないくらいのサーバー設備が必要になるので、個人ではちょっとありえないかな。
ってプログラマー目線でツッコんじゃいましたけど、
アニメはアニメ!と納得できるくらいには楽しめるアニメだったので満足です!
{/netabare}