すとーりーてらー さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
『俺、思うんだ・・・愛する気持ちも憎む気持ちも最初は人を思う気持ちから生まれたんだって』
アレクサンドル・デュマの「モンテ・クリスト伯」を原作とするヒューマンドラマ。謎多き貴族「モンテ・クリスト伯」を中心とする愛憎劇や、若者達の交流と成長が描かれる。
この作品はモンテ・クリスト伯なくしては全く語れない。その存在感は圧倒的で、1話の登場シーンだけでも、視聴者を作品世界に引き込むのに十分すぎるインパクトがある。ただ、この作品の真の素晴らしさは別のところにある・・・それは、テーマが明確で最後まで全くぶれないことだ。メッセージ性の高さにも特筆すべきものがある。このレビューのタイトルに掲げた台詞は、この作品のメッセージを濃縮した言葉といえるだろう。
プロットも素晴らしい。起承転結がはっきりしているため、非常にシンプルで分かりやすい。かといって決して淡白な訳ではなく、徐々に謎が解けていくようなストーリー展開であり、演出も良いので、物足りなさは全く感じない。登場人物の配置には一切無駄がなく、ほぼ全てのキャラクターがテーマを具現化する上で重要な役割を果たしている。
最後になるが、個人的にものすごく気に入ったのが、作中でも何度か流れるオープニング曲。初めて作中で流れた時には、曲に込められた想いが真に理解でき、自分でも怖くなるほど鳥肌が立った。未視聴の方は、美しいBGMや斬新な作画にも注目しつつ、作品世界に酔いしれてほしいと思う。