さーける さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
大丈夫 あなたの感情は豊かです
(最初からネタバレでスイマセン)m(__)m
おおまかなあらすじを説明しますと
ヒロインは大好きだった祖母の死をきっかけに涙を流すことを忘れた少女『石動乃絵』
特徴として 洞察力に優れているが発言や行動が天真爛漫で周りからは変人扱いされている
もう一方のヒロインは両親を亡くし 親同志が親友だったことで主人公の家に養女として同居することになる(主人公が想いを寄せる)幼なじみの少女『湯浅比呂美』
この二人のヒロインと 創り酒屋の跡取りながら家を嗣ぐことより夢である絵本作家を目指している少年『仲上眞一郎』
この3人の恋愛関係が主体となるお話です
ネタバレついでに冒頭だけ説明しますと
ある日の学校で眞一郎は校庭にある木に登っているヒロインの乃絵に出会います
木登りの原因は学校の飼育小屋で乃絵が可愛がっている鶏の『雷轟丸』の餌を採る為で 眞一郎は理由を聞いているうちに乃絵と口論となり『不幸になる呪い』を掛けられます
別のある日 眞一郎は乃絵の奇妙な噂を聞き 呪いを取り消して貰う為 再度木に登っている乃絵に遭いに行き ティッシュボックスで作った鶏をプレゼントし仲直りをするのですが…
もう一方のヒロイン比呂美は 同居させてもらっている遠慮から家の仕事を手伝い 眞一郎の母親から小言を言われながらも気持ちを抑えて慎ましく世話になっているのですが…
主となる登場人物はこの3人以外に眞一郎のひとつ年上の幼なじみの少女 眞一郎の親友 乃絵のシスコンの兄 それに眞一郎の母親が絡んで枝葉となる話を形成し 少し重々しい雰囲気で繋がっていきます
そして最後も切なさの残る 全13話のオリジナルラブストーリーです
私が思うこの作品のキーは『衝動』(=抑えきれない気持ち)です
各々のキャラが想いを寄せる相手のことを考え 最初は自分の気持ちと違う行動を起こしてしまう(これも衝動)
やがてそれぞれに虚しさを覚え 正直な気持ちを抑えきれなくなっていく…
心理描写も良かったのですが この『衝動』に関する映像面は素晴らしかった
心が動きだす瞬間が様々なかたちで描かれていて 特に眞一郎が自分の正直な気持ちに気付き自転車を全速で漕ぎ転倒するシーンは『衝動』の伝え方としては圧巻でした
作品のテーマとしてはタイトル通り『本当の涙』となるのでしょうが この『衝動』(何度も言ってスイマセン)の幾つも積み重なりが集約されたような形となってラストシーンが描かれ テーマそのものが際立っていたように思えました
このラストが私自身が最も感動した場面であり この作品を好きになった理由です
最後にもうひとつ付け加えますが この作品は目線や感情移入をするキャラによっては持つ印象が変わってしまう感じがします(まぁどの作品でもそうですが…(;^_^)
私の評価はあくまで作品全体と考えてのものですが キャラ比重としては少しばかり乃絵寄りになっているので ご容赦を…