chariot さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:途中で断念した
作品としては高水準、演出が合わず断念。
ピアノが弾けなくなった元天才ピアニストの少年とバイオリン弾きの少女の話・・・か?
3話まで視聴。
作画は綺麗です。
音楽の話だけに音楽も良いです。
話も丁寧に進められていて好感度は高いです。
でも・・・
やたらとモノローグで詩的な表現をするのが鼻に付くんですよね。。
会話の中にも抽象的なセリフがあって、ホントに中学生の会話なのかな?と思う場面もしばしば。
うーん・・・文学的な作品なんだろうか。
しばらく様子見で。
7話まで視聴。
相変わらず丁寧に作られている作品です。
しかし序盤から感じている詩的表現がやはり肌に合いません・・・
{netabare} 6話で公生におぶられた椿が泣き出すシーン。
このシーンは非常に勿体ない気がします。
椿の心の声は要らない。
堪えていた感情が、負けた悔しさが、公生相手には気負わなくていい安心感で解放される・・・そんな良いシーンを無駄に飾る必要があるのでしょうか?
子供の頃のやり取り、現在のやり取り、その会話の中で十分このシーンの彼女の心情は引き出せていると思います。{/netabare}
そういう作風なのだと思うしかないのでしょうけれど。
11話まで視聴。
1クールの区切り(話の内容は別に区切りでもないけど)で断念します。
とても丁寧で良い作品だと思います。
共感される方が多いのも納得出来ます。
でも、根本的に自分には合わなかったです。
コンクール出場の意義。
{netabare}コンクールの審査員の重鎮らしきおっさん。
この人って自分の型にはまらない演者はダメだというタイプですよね?
頭が硬く、偉そうで、難癖つけてくる嫌われ役。
でも・・・僕はこの人の言う事に共感出来てしまうんです。。
だってコンクールって正確に作曲者の指示通りに弾く事が高評価なんですよね?(現に幼少時の無敵だった公生は正確さを評価されていた)
音を楽しむ「音楽」をする場ではないのですよね?
情熱的で独創的な演奏を求められている場ではないのにそれを守らない(守れない)出演者・・・
敢えて評価される為のコンクールに出場するのであれば1位になる事を目指さない演奏者は他の真面目にコンクールの為に取り組んでいる者の邪魔にしかならない。
そんな機械みたいな面白味のない演奏家が必要なのかどうかは別として、コンクールの在り方に添っていないのなら出場すべきとは思えない・・・
クラシック業界ではコンクールで名を売る事でプロへの道を開くようですが、それも目指している訳でもない。
公生の事をコンクールで多くの人に聴いて知ってもらいたい周囲の気持ちは理解出来ても、公生の気持ちが見えてこない。
何故、弾く場所が「評価をされる」コンクールなのか。
自分探しをする場ではないとおっさんは言ってたけど、その通りだと思ってしまったんです。
恐らくお母さんの事がどこかにあるんでしょうけど・・・
トラウマを解消する為にそこじゃないとダメという事なんでしょうけど・・・
コンクールに向けた熱い想いもない公生の出場は些か理解し難い。 {/netabare}
心情の表現。
{netabare}以前から詩的な独白の多用が自分には合わないと思っていました。
これが小説なら表情や音楽がないので文章で表現するのは当然ですが、アニメとして視覚があるのに心の声を吐き出し続ける・・・
演奏をしながらそんなに色々考えているのでしょうか。
また観客にしても観ていれば解る事をわざわざ口にする演出。
絵と音で十分演奏の良さは伝わっているのに無駄に華美にしたがるのか。
相座や絵見にしても公生に対する想いをべらべら喋りすぎて、現時点で曝け出してしまう事でキャラの印象が固定されてしまう・・・
もう少し抑えて、本当はこんな想いだったんだと後から見せる事で彼らの良さをもっと引き出せないものだろうか?
丁寧な心理描写と全部喋らせちゃうのはちょっと違うんじゃないか・・・
そんな違和感を常々感じながらの鑑賞でした。{/netabare}
この辺りの不満を抱えたままではこの作品の良さを追求し理解するのは難しいんじゃないかと・・・
そう思ったのでこの辺で退場する事にしました。
ただ、合わなかった。
それだけです。
これは原作を読んでいる友人に大絶賛で薦められて視聴を始めた作品です。
アニメ化としても丁寧にゆっくり作られていますので、きっと素晴らしい作品だと入り込んで観られる方もいると思います。
自分はここでリタイアしますが、原作と合わせた最終回が素晴らしい物になりますように願っています。