101匹足利尊氏 さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
冬の日、空前絶後の"正義の味方”
※1期も含めた感想。
原作ゲームは未プレイ。
本作視聴時まではスタジオディーン版アニメにて、
セイバールートの一端を垣間見たただけ。
そこまで熱心な『Fate』ファンでもない私は本作と新劇場版で、
残りの主要二つのルートをやる。
と言われてもあまり視聴にもノリ気ではなく……。
それでも遠坂凛攻略への抑え難い欲求をモチベーションに
遅ればせながら本作から視聴開始。
結果、とても満足の行く別ルートでした。
『Fate』はどの分岐も面白いと今更認識。
現在、展開している劇場版・桜ルートも追い掛けてみたくなりました。
それにしても、凛ちゃんって、こんなに分かりやすいツンデレだったのですねw
強力な魔術師で、士郎イジりも強烈だけど、恋愛耐性は皆無に等しいほど純情。
バッティングは豪快だけど、守備はザルといった感じw
……いや、可愛かったです。ご馳走様でした♪
凛も然ることながら、主人公・衛宮士郎とアーチャーによる掛け合いも良い味出してました。
『Fate』の会話劇はどの組み合わせも重厚で聴き応えがありますが、
士郎とアーチャーの場合はさらに、
己の生き様をぶつけ合うヒリヒリした辛味のスパイスも効いていました。
凛目当てで視聴を進めたはずが、
いつの間にかアーチャー攻略の欲求がわく瞬間が幾度もありました。
何より私にとって僥倖だったのは、
士郎が主人公としてようやく好きになれたこと。
旧作アニメでも士郎は"正義の味方”への憧れを主張し、
志をある程度は有言実行してはいましたが、
まだ、その"正義の味方”ぶりは既知の範囲だったように思います。
"正義の味方”を自称する何てちょっとイタいかも?
という私が士郎に抱いた第一印象を完全に払拭するには至りませんでした。
けれど本作を見た上だと士郎が言う"正義の味方”も認めざるを得ません。
ただ"正義の味方”を論理的に納得したという感じではありません。
常識で考えると、士郎に果たして客観的な正や義があるかどうか……。
正直怪しいと思う部分もありますが、
彼の"正義の味方”は、こうした世の理を遙かに超越してしまっています。
私の知っているどの"正義の味方”とも違う。
未知のヒーローによる驚愕にヤラれた感じ。
これもまた主人公力なのだな。
と私の理解力だと整理が付かない心を落ち着かせるのが精一杯ですが、
貴重な体験をさせて頂きました。
最終回について……。構成にクセもあり、賛否の分かれそうな終幕だと思いますが、
私は結構好きなエンディングです。
{netabare}聖杯戦争終結の数年後、士郎が凛の“弟子”として
魔術の総本山ロンドン時計塔に帯同するシナリオ。
かなり遠い将来まで一気に描写した後日談といった印象。
ですが士郎が"正義の味方”を貫いた末路を含め、
信じると決めた未来を信じる。
本編での心情描写の延長線上の物語としては筋の通った幕引きだったと思います。
途中、唐突にロンドンから聖杯戦争直後の高2時代に場面が飛んで、
時計塔時代は予知夢?夢オチ?の如く時系列が前後した演出がカオスでしたがw
あれも自らの行く末を知った上でも尚、"正義の味方”を貫くと決めた、
士郎による進撃の疾走感を出す上で効果的な構成だと思いました。
私としてはアニメ版『プリズマイリヤ』以外で初めて
“金髪縦ロール”のお姉さんにも出逢えましたしw
個人的には満足度の高い最終回でした。{/netabare}