どらむろ さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
男子も楽しめる恋愛系少女漫画筆頭。雫ちゃんマジイケメン!
少女漫画原作の青春恋愛アニメの中では群を抜くユニークなキャラクター、コメディーも楽しい良作。
ガリ勉秀才で恋も理詰め…からの、超剛速球恋愛ストーリー!
よくあるタイプの少女漫画原作学園ラブストーリーとは一線を画する怪作です。
{netabare}『物語』
主人公(無論、雫ちゃん)が勉強家で勉学以外に恋とかファッションとか他人の心の機微とかに関心が薄い、珍しい「理系タイプ」で、ヒロイン(本作では春君)は頭脳も身体能力も超人的天才肌だが対人コミュニケーション取れないおバカタイプ?
普通なら恋愛とは無縁っぽい変人二人が出逢い…1話にしてキスまで持っていく剛速球ラブコメッッ!
とにかく1話から序盤のテンポとインパクトは凄まじく、毎回クライマックスかと思ったw
あれ?1話でもう最終回でよくね?と思ったが…
ところがぎっちょん。ここからが「とな怪」の凄い所で…
雫ちゃんが理詰めで恋の投球コース組み立て超剛速球投げれば、春君は超絶悪球打ちで尽く特大ファウルにしてしまう!
…いえ妙な例えですが、二人の恋愛関係、そんな感じの他に類を見ないユニークさが全く目が離ない面白さです。
中々進展しない自体はラブコメではありがちですが…
お互いに超素直に恋愛に向き合っているにも関わらずの、変人同士妥協しないが故の食い違い。
かといって険悪でもなく、終始微笑ましいという摩訶不思議な関係性。
なんなんだ、キミたちは…!?
普通の男性向けハーレムアニメのヒロインめいているのは春君の方、雫ちゃんのがイケメンじゃないか!?
ラブコメとして見ると終始素直な気持ちのぶつけ合いなので、少女漫画にありがちな湿っぽい部分は全く無く、また二人を取り巻く友達関係も良い子多くて、かつ絶妙なコメディータッチも楽しい。
ヤマケンとの恋愛も春以上に微笑ましく、それでいて直球勝負で理詰めでやはり春が好き!
それでも清々しさが先に立つ辺りが凄い恋愛作品だと思ったです。
また青春成長ストーリーとして見ても、雫と春だけでなく前述の夏目ちゃんや隣のクラス委員長、ヤマケン等々、お互いとの関わり合いの中で、きちんと成長していっているのも好印象。
恋愛、コメディー、成長物、いずれもバランス良いのが本作の魅力かもです。
夏目ちゃんが、ごく普通の女の子(気弱で周囲に合わせようと苦労していたり)で、雫の影響受けて成長したり、逆に雫が夏目ちゃんから少しは他人との合わせ方を学んだり…そこら辺のバランス感覚も良かったです。
普通なら極めて危うい性格の二人が伸び伸びと恋愛関係進展していける環境が、実にバランスよく整っている気がする。
コメディーとしてもかなり笑える要素てんこ盛りなのが特徴。
春がケンカでブッ飛ばした生徒の人型が付いた壁が、後になってもそのまま残っている場面とか、狙ったギャグかは不明だけど、爆笑しましたw
嫌味の無いキャラクター達が繰り広げる、素直なコメディーも、恋愛劇としては中盤以降やや停滞しがちな物語を、終始飽きずに視聴出来た要因なのかも。
終盤~最終回はやや中途半端な感はあるも、二人の恋はこれからだ!
的な締め方もまぁ悪くはないような気がする。
物語評価は4.5か非常に迷うレベル。
恋愛物としては中盤ややワンパターンな気もする為、若干減点。
原作人気的に2期もあり得るかもだし、もしあれば非常に楽しみです♪
『作画』
少女漫画の中でも溌剌としたタイプの好感が持てる良作画。
雫ちゃんも夏目ちゃんも可愛いです。
『声優』
雫役の戸松遥さんが非常にハマリ役だったように思う。
雫の理詰めだけど素直で直球な勇ましさ、内面の可愛さを遺憾なく発揮。
雫ちゃん、戸松遥さんが演じたヒロイン中でも五指に入るベストヒロインかも。
春の鈴木達央さん、ヤマケンの寺島拓篤さんも良い感じです。
『音楽』
雫(戸松遥さん)歌うOP「Q&A リサイタル!」が作風と主題にマッチしたポップで素直な青春恋愛ソングでとても好感が持てる。
未だにメロディー覚えてる辺り、とても良い主題歌だったのだろう。
ED「White Wishes」も良曲。
『キャラ』
とにかく主人公(女の子だけど主人公と言うしかないw)雫ちゃんが非常にカッコイイに尽きる。
極めて珍しい「理系」女性主人公。
※「テレビアニメーション人生相談・人生」で理系少女リノちゃん居ましたが、本作の雫ちゃんこそが最強の理系ヒロインだと見ています。
勉強一筋で恋も他人とのコミュニケーションにも不器用、しかし持ち前の勤勉さと理詰めの思考力を、いざ恋愛となったら如何無く発揮!
超直球勝負で恋愛に邁進する!
こんな凄い女性主人公、見た事がありません(超褒め言葉)。
ファッションに無頓着で私服がダサいのも、個人的に好印象♪
女子に(いや、実は男子にも)ありがちなしがらみに縛られない勇ましさ、でも実は優しさもある、素晴らしい主人公だ素晴らしい!
本作の魅力は雫ちゃんという強烈な主人公の魅力に尽きる。
春君は、正直最初はあまり印象良く無かったです。
女子をガチ殴りしちゃあかんよなぁ。
でも次第に可愛く思えてくる不思議。
ヤマケンの方が応援したくなるヒロイン(本作に限り男子がヒロイン)でした。
夏目ちゃんが一番普通に可愛かった。彼女は「普通の女の子」を代表していたのかな。
他の友達も気の良い、良い子たちで好感持てる。
友達たちは雫と春に欠けている「普通の少年少女らしさ」を体現しつつ、善良で健全な友人関係を築ける事で、本作の雰囲気を良くしていると思った。
また、大人にも人格者が居るのも見逃せない。
大人がしっかりしているのは良作の条件かも。
他作品には中々居ないタイプの強烈なカップルを中心にしつつも、周りを固めるキャラクターの魅力も安定して高いです。{/netabare}