くし さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
親が子を育てる。そして、子が親を育てる。
本編11話、ショートストーリ4話で構成。
何か良い作品は無いかと探していたら出会った作品。評価が高いので視聴することに。迂闊だった。こんなに引き込まれるとは…徹夜して一気に観てしまった素晴しい作品。
思わず微笑んでしまったり、喜んだり、涙したり(感動でほろり、最近つくづく涙腺が弱くなった )、観ている時の顔を恥ずかしくて人には見せられない…w
物語は主人公の大吉(30歳・独身男性)が、捨てられたと同然の少女りん(6歳)を引き取り、子育てに縁の無い男が仕事や二人の生活に葛藤する熱い温度のある物語で、家族としての絆や思いやりを相いれる様子、大吉やりんを取り巻く人達の思いも徐々に密になり、心温まる作品になっています。
大吉も常識的に本当の母親を探す事にもなるが、この母親は仕事の為に娘を手放すことに至り愛情を感じられない。
なんであの母親にこんなよい娘が…
あんなの母親じゃねぇ!!
大人の事情それぞれ色々あるが自分本位で身勝手すぎる。
仕事のために子を手放す親と子のために仕事を犠牲にする親、どちらが親と言えるか?
りんにとって母親ってどうなんだろう?
りんは母親、父親という存在に少し無頓着な曖昧さがあり、この物語に今の所暗い要素が存在する事は無い路線になっている。
しかも大吉は母親に苛立ちを露に見せる事も無く、この男、人間として大きさを感じた。
始めは感情的に投げ槍に見える仕草でりんを引き取る事になったが、一緒に生活するうちに母性本能に似た感覚と、世間の男親が見せる可愛い我が娘に対する愛情が面白くて、楽しくてニコニコの連続でした。
この娘りん、本当に可愛いのだ。たまに見せる「えらいなぁ」場面やしっかりした仕草が「女の子だな」と感心。
だが未だ6歳の娘に有りがちな成長過程に存在する精神的に発達している部分としていない部分がより微笑ましい。
大吉は独身男で今まで気ままでいい加減な生活を送っていただけに、このしっかりした娘とのやり取りが面白くてしょうがない。
親が子を育て、そして子が親を育てる。
親の大吉視線と子のりん視線とをうまく描写して居心地の良いあったかい物語になっている。
物語は結末を迎える事が無くフェードアウトしていったが、この続きが非常に気になる!
この作品は原作の第1部で幼児期から小学生初めの話しだが、原作には第2部の高校生以降の話しが有るという。一瞬原作を読もうかと思ったが、自分の中ではりんの可愛い幼い姿を記憶にしまって終りにする事にした。りんの大人になって行く姿に私は臆病になってしまったのかも知れない。きっとこの感覚は娘を持つ親父の心境なんだろう。
ほのぼのとした心温まるすっごく素晴しい作品でした。