退会済のユーザー さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
終わりの風景
萌え要素一切無いです。
キャラがかっこいいとか、かわいい要素ないです。
重たくシリアス、全体的に暗い雰囲気が漂う物語です。
長編で、敷居の高いイメージがありますがみてよかった!
ドイツチェコが舞台
風景、空気感が伝わってきてとてもよかったです。
この物語、トラウマが最大のテーマなんだと感じます。
途中出てくる「なまえのない怪物」という絵本は考えさせられました。
奇妙な絵本。でもそれだけではない、深い意味が底に流れるその絵本はとても恐ろしい。
そして物語に不気味さを落としています。
これを読んで、その絵本を読みたくなった方は
もう怪物に囚われ始めているのかもしれません。
沢山の登場人物が出てくる中で、群を抜いて惹きつけられるキャラがいます。
【ヨハン】という男
相手の心の深淵に潜む闇を掘り起こし、それを巧みに咲かせて、
自分は一切手を汚さずとも相手を自分の思いのままに操る。
まさしく彼はモンスター(怪物)です。
それでいて悪魔的な魅力をもっています。
私でも彼にあったら落とされそうです。
「人間はね、なんにだって なれるんだよ」
自分が誰よりも暗い暗い闇を知っている
自分だけが深い闇を抱いているんだ
こう思ってしまったなら自分の中の闇が大きく膨らんでいき、
転がるように悪魔に堕ちていくのだとヨハンをみて思いました。
{netabare}
「一番暗いところに、
たどり着いたと思ってた・・・
でもね・・
その先に・・・
もっと暗い闇が見えたんだ。」{/netabare}
このセリフはすごい。戦慄が走りました。
洋画のサスペンス映画を見ているような一言も逃せない場面展開が続き、
何と言っても鋭い人間描写が素晴らしいです。
観ながら、次へ次へと天馬と同じ気持ちになって追求してしまいます。
人生観が変わるような名セリフも次々出てきます。
どんな小さな光でもいい、心に届けばそれだけで生きていけるんだなぁと思いました。
終焉へと向かう物語、
この物語をみるときは注意しなければならないことがあります。
*深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ
(ニーチェ)