ようす さんの感想・評価
3.6
物語 : 4.5
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
「人は誰でも空を行く鳥を見るとさ、旅に出たくなるそうだ…。」
10年ぐらい前だったかな、原作が流行っていたのを覚えています。
当時の私は「ラノベなんて邪道!」と思っていたので、まったく関心がなく。
アニメ化もしてたのかーと知り、アニメを観るようになってからはずっと気になっていた作品でした。
アニメを観終わり、流行っていた当時、なぜ原作を読まなかったのか、とひどく後悔しました。
偏見は自分の人生を不毛にするなあと反省しました。
全13話です。
● ストーリー
モトラド(二輪車)のエルメスと旅をするキノ。
1人と1台が、いろいろな国を旅するお話。
「人の痛みが分かる国」「本の国」「平和な国」など、
ちょっと不思議な国々を短編小説のように訪れていきます。
キノたちの滞在期間は3日と決まっている。
その3日で見えてくる、その国の本質や人々。
淡々とした、物静かなストーリー。
だけどものすごく惹きつけられました。
ファンタジー要素が強いです。しかし、それ以上に伝わってくる人間性。メッセージ性。
寓話的な要素も非常に強いです。
☆寓話…比喩によって人間の生活に馴染みの深いできごとを見せ、それによって諭す事を意図した物語。
↑私はこの作品で「寓話ってこういう作品を言うんだ。」とわかりました。笑
物静かで不思議な雰囲気が漂う中、
内容はなかなかむごくて無常です。
しかし、どこか現実の未来の世界を見ているような。
未来の世界、人間のエゴ、きれいごと、理想、闇、隠された本性…。
そんな本質が深くぐっさりと描かれています。
どんなにきれいな理想の世界を追い求めても、
結局世界は救われないんだなーと思ってしまう。
完璧な人間や完璧な世界なんて存在しない。そんなもの無理なんだ。
だからこそ世界は美しい。
救われない世界の、儚い美しさが心にしみました。
この作品を観始めたとき、心が現実に帰ってこれませんでした。心が旅に出てしまいます…。旅に出たくなります…。
このなんともいえない不思議で魅力的な世界が心をとらえて離しませんでした。
これでキノがイケメンだったら、間違いなく私は現実に戻ってこれませんでしたね。そんな自信があります(笑)
● 作画&声優
作画と声優さんは気になるところがあります。
好きになれない、もしくは、観るのをやめてしまう人もいるでしょう。
私も初めはちょっと抵抗がありました。
作画は我慢するとして、
声優さんは聞き続けていると、これはこれで味があるのかなーと思ったりもします。
エルメスの声と話し方だけは最後まで好きになれませんでしたが。笑
マイナスポイントがもったいないですが、
それを上回るストーリーだけで私は十分満足でしたよ。
● 音楽
【 OP「all the way」/下川みくに 】
この曲大好きです!たまりません。
旅する2人にはぴったりの、心地よい曲。
この曲を口ずさみながら原付乗ると旅に出ている気分になって最高に気持ちいい。笑
OPを観てすぐにこの作品が好きになりました^^
EDも旅の夕暮れを連想させる、いい感じの曲でした。
● まとめ
作画等にはくせのある作品ですが、
私は大好きになりました。
これは原作を読まないといけない。
旅物語が好きな人には間違いなくおすすめしたい作品です^^