101匹足利尊氏 さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
二人の新人声優の成長にも注目
廃校の危機に立ち上がった9人のスクールアイドルは個性派ぞろい。
当時あまり名が売れていなかった若手声優が担当したキャラの中でも、
特に高難易度だったと思われるのが、西木野 真姫(まき)ちゃんと東條 希(のぞみ)ちゃん。
クールな真姫ちゃんは一聴すると感情がこもってないように聞こえる抑揚のない声が難儀。
気持ちを込めすぎるとクールなイメージが崩壊するし、抑え過ぎるとただの棒読みになってしまう。
巫女で占い好きで巨乳でセクハラ好きという多属性の希ちゃんは、
その上さらに関西弁というのが難儀。方言というだけで難易度倍増。
なのにさらに彼女の場合、生粋の関西人ではなく、関西弁も、
転勤族の両親の都合で引っ越しを繰り返した小中学校時代に覚えた方言の一つに過ぎない。
だが敢えて絵里と仲良くなるために関西弁を選択してきた。
…というアニメでは触れなかった裏設定等も意識せねばならない。
関西人になりきるわけにもいかないし、
だからといって付け焼刃の関西弁にし過ぎるとたどたどしくなってしまう。
そんなハイレベルな二役をよりにもよって、
本作がテレビアニメ・レギュラーキャラ初挑戦の二新人にやらせたのが挑戦的。
真姫役のPileさんも希役の楠田亜衣奈さんも、
アニメ化以前より『ラブライブ!』のCD等で役は演じてはいましたが、
本作序盤は真姫ちゃんも棒読みで、希ちゃんの関西弁も今一つ板についてない感じ。
アフレコではOK出た声優さんから帰るのが普通。
ですが本作では最初の頃、新人への演技指導等で深夜まで及んだ、
アフレコが終わるまで全員が居残ったと言う。
そんな熱い現場で徐々にキャラクターを物にしていく過程も〝聞き所"
ラストあるいは2期目から本作の第一話に戻ってみると、
改めて声優さんの成長を実感できるはず。
ちなみに私は『ラブライブ!』ではエリチ押しですが、
本作の最優秀声優はアルパカ役の麦穂あんなさんだと確信しています(笑)
あの呻き声一つ一つに動物声優の魂を感じます。ハラショー!