toaruanime さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
ヤンデレというけれど、意外とそうでもない
ヤンデレ四天王というと、「桂言葉、園崎詩音、芙蓉楓、我妻由乃」というサイトもあります。確かにヒロイン我妻由乃(由乃)の行動は常軌を逸している所がないわけではありません。しかし、これは彼女が真剣に主人公天野雪輝(ユッキー)のことを愛しているからただそれでけではないでしょうか。
二人の出会いは1年前の放課後。将来の夢を書く課題で居残りをしていた。ユッキーの家族が離婚という境遇に、自分の両親を殺してしまった(不在)を重ね、さらに大人になったら貴方のお嫁さんになってあげるという目標もできます。今まで、生きる目的を失いかけ、温かい家族のぬくもりを渇望していた由乃は自分と同じ境遇のユッキーに恋心を抱きます。それからの由乃の人生はユッキーのお嫁さんになるという目標ができ、明るくなりました。しかし、未来日記というゲームが二人が結ばれることをことごとく裂きます。「生き残れるのは一人だけ」。1週目で由乃はユッキーを失います。そこでこんな惨めなバットエンドを回避するべく二週目の世界へ行き、2週目の自分自身を殺してでもリトライしに行く。この2週目の自分を殺すという行為は、単なるヤンデレではなく、そうしてでもユッキーに会いたいという彼女の切実な思いです。
2週目の(アニメ本編)ではユッキーは序盤相変わらずへタレです。(のちに少しは成長しますが・・)。由乃はヤンデレといわれる描写が多数出てきますが、これは「1週目での失敗を繰り返したくない、」という彼女の決心の表れ、「1週目の世界でのユッキーを蘇えさせることができなかったことへの後悔」の表れではないでしょうか。恋人の死別を経験した由乃は本当に真剣でユッキーを守りたかったのです。
そんな真剣な由乃の姿に次第にユッキーの心は動いていきます。最初は由乃のことを「ストーカー、助けてくれるなら誰でもよかった」としか思っていなかったのが、次第に愛おしくなり、そして心から愛するようになりました。
2週目の終盤、ユッキーと由乃は互いの体を重ねるまで、お互いの愛が深まりました。1週目では「天野君」と名字でしか呼べなかったくらいの親密度でしかなかった二人の関係が、本当の恋人へと大幅に前進しました。由乃の「2週目の世界でやり直す」という苦労は決して無駄にはなっていません。そのおかげでここまで来れたのです。
そして26話Aパート、ユッキーは幸せな由乃のいない仮想世界よりも由乃がいる世界を選び、本当の意味で二人の心は一つになります。しかし、由乃はどんな理由があれ大好きなユッキーを刺すことができずに自分を刺して2週目で死んでしまいます。この主人公を監禁してしまうことがあっても、どうしても好きな人は殺せない、この由乃の一途さに心打たれます。
そして、3週目の世界は幸せな、平和な世界になりました。もう未来日記ゲームも開催されることはありません。(11thが自身不利になるのでやりたがらない)そこでは、ムルムル1stから今までの記憶をもらい、1週目、2週目でのユッキーへの恋心を取戻し、神となったユッキーに会いに行き再開を果たしました。二人は一緒に星空を見るというあの日の約束を果たし、結ばれました・・。
多くの人は由乃がヤンデレというかもしれません。しかし「私とユッキーが結ばれない狂った世界」を突きつけられてはこうなるのは当然ではないでしょうか。「狂った世界」、「恋人の死・蘇生の失敗」、「そしてそれでもなおあきらめられない、自分に生きる希望をくれた、大好きなユッキーへの溢れんばかりの思い」。これらの状況では人格がくるってしまう方が正常ではないのでしょうか。つまり本当に由乃はユッキーのことが好き・愛しているのです。この一途さは脱帽もので称賛に値します。