どらむろ さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
弱虫ペダル作者の影の代表作。懐かしい少年漫画風味の魔女っ娘萌えアニメ
弱虫ペダルがブレイクする以前から並行して連載されていた、渡辺航先生もう一つの代表作です。
無口無愛想で不器用なドジっ娘魔女るるもと、健全エロバカ少年コウタが織りなすドタバタファンタスティックコメディー。
全般的に、一昔前の古い少年漫画的な気風があり、21世紀の深夜アニメとしては時代遅れの感はあれど、るるもの可愛さはバツグンです。
{netabare}『物語』
魔女見習いのるるもが修業完了の為には人間の少年コウタに「魔法のチケット」(魔法で願いを叶えてあげる代わりに寿命縮む)全部使わせないといけない(るるも修行完了したら当然コウタは死ぬ)!
…という結構ヤバイ設定のドタバタコメディー。
コウタはアホなのでしょーもない目的でチケット(己の命)浪費しちゃったりw
一方で優しい男なので、るるもの為に魔法使ってあげたい気持ちがあったり。
※魔法使用回数制限で命削られるといえば「まぶらほ」を思い出します。
全般的に一昔前の少年漫画原作の夕方アニメめいた作風で、おバカエロ少年コウタがドタバタコメディーを巻き起こす。
コメディー的にはコウタら男子勢の少年漫画めいたおバカコメディー、萌え的にはるるもの超不器用ドジっ娘ぶりを愛でる!
序盤は1話辺りのエピソードは古き良きお約束通りであり、昨今の1~2クールアニメで1話当たりの密度が求められる深夜アニメとしては、若干凡庸ではある。
本作はもっと昔に、夕方枠で尺タップリ流してくれれば輝くタイプだと思ったです。
それでも中盤以降は、拾った仔猫を死なせてしまう悲しい出来事を経てコウタが成長したり、るるもとの関係が少し動いたり、展開にバリエーションが出てくる。
るるもの超無口で超無愛想で不器用なドシっ娘ぶりから、少しずつ良き友達やコウタの優しさに触れて、分かり難かった内面の可愛さが増していく過程が非常に萌えます!
コウタが狼になってしまうエピソードでは、普段は何考えてるのか不明なるるものコウタへの想いや優しさが分かり感動。
歌唱オーディションのエピソードでは、今度はコウタがるるもを想いカッコ悪くても頑張る展開に。
…ラブコメとしては超無口・超無愛想で考えが分かり辛いるるもの良さを、おバカだが素直で優しいコウタが気付いていくのが見所か。
※別作品だが講談社繋がりで「謎の彼女X」で言うところの、るるもはコウタにとっての「謎の彼女」なのでしょう。
るるもの謎っぷりから少しずつ可愛さを見つけていく、その過程で、古い少年漫画めいた作風を通じてジワジワとるるもの可愛さが増していきます。
つまり…るるもかわいいよるるも。
※
チケットはアニメではうやむやですが、原作の途上なのでやむなしかと。
原作ではこの後、チケットが重要な局面の鍵になります。
まあ、もし2期があればですけど…
総じて、昨今の人気作品の主流からは時代遅れな作風かもです。
しかしッ!
るるもかわいいんです!
弱虫ペダルがきっかけでも、少しでも興味持ってくれたら嬉しいのですけどねぇ…。
『作画』
やや古い印象を受けるも、るるも初め女の子は健全で素直な可愛さがある。
古き良き少年漫画です。(原作開始は2000年代ですけど)
『声優』
三森すずこさんが、無愛想魔女っ娘るるもを好演。
三森さん、アウトブレイクカンパニーのミュセルと同一人物とは思えん!(講談社繋がり)
三森さんは歌も素晴らしかった。
高橋信さんは本作のコウタが初主演、おバカだが音は優しいナイスガイなコウタを好演。
チロの福圓美里さん、コウタ母の能登麻美子さん能登怖いよ能登。
『音楽』
OP「せいいっぱい、つたえたい!」
素朴だが素直にるるもの想いを綴った良曲、地味だが良主題歌です。
本編では伝わり辛いるるもの気持ちを「せいいっぱい」伝えてくれて、グッと胸打たれます。
注目は「FHK不思議発見の歌」、るるもの魅力を更に見せてくれた見せ場を盛り上げていた。
作詞は原作者の渡辺先生御本人ですw
『キャラ』
無口・無表情・無愛想で常識皆無、不器用ドジっ娘で放っとけない魔女っ娘るるもが可愛過ぎる。
るるもの魅力は非常に分かり辛いのですが、コウタ視点で次第にるるも本来の優しさや可愛さが浮き彫りになっていきます。
コウタは古い少年漫画的な活力溢れる主人公。
こういうタイプの主人公が生き生きと活躍する、ちょっと懐かしい雰囲気です。
本当に心優しい良い奴で、共感出来る主人公です。
全般的に優しい世界で、友達も家族も皆良い人ばかりなのも雰囲気良い。
ネコのチロが可愛い♪猫バージョンでも、人間バージョンでも。
るるもの親友ハルリリも絵に描いたようなツンデレ、やっぱり安心感あります。
『余談』
弱虫ペダルがブレイクするずっと前から原作者のファンなのですが、渡辺先生は自転車スポーツ漫画以前は元々るるもみたいなドタバタエロコメディーの方が主流でした。
なので、古くからの原作ファン的には、弱ペタよりも、るるもこそが渡辺航作品の主流なのだッ!
…という、密かな想いがあったりします。
はい、すいません。弱ペタとは人気度月とスッポンですけどね…。
けれど、少しでもるるもみたいなラブコメにも光が当たってくれたら大変嬉しいのです。{/netabare}