「凪のあすから(TVアニメ動画)」

総合得点
90.4
感想・評価
6470
棚に入れた
25616
ランキング
53
★★★★★ 4.2 (6470)
物語
4.2
作画
4.4
声優
4.2
音楽
4.2
キャラ
4.2

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明日は我が身 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

「好きな気持ち」をテーマにした神秘的なファンタジー

2度目の視聴に付きレビューを記載。
もともとは人間は海に住んでいて、のちの歴史の中で陸に住む人々と海に残った人々に別れた、という世界観の物語。
海村に伝わる海神様の伝説をなぞりながら、人が人を好きになる気持ちをテーマとして描いている作品。

心理描写が巧みで純粋に恋愛の行方が気になるばかりか、ファンタジー要素がそこに絡んでいてなおかつそれを持て余していない。きちんと恋愛物語の中に消化しきっている。そしてタイトルにもある「凪」という言葉の意味も作中できれいに回収している非常に完成度が高いアニメ。
また、その辺の平凡なアニメはこういうテーマを書きたいな~と決めた方向にストーリーを持って行こうとする時、キャラを動かして調整をするため無理やり感が微妙に出てしまうものだが、凪あすの場合はキャラではなくおとぎ話の設定(現実ベースの作品じゃないから何でもあり)を後出しにしていくやり方でテーマへの方向転換や調整を行っているため、キャラの心情に違和感を覚えるような無理やりさはほぼなかった。
人の心をテーマにしてる作品としてはその構成はこの上なく英断だと思う。


テーマがテーマなだけに一番最初、キャラがどういう人物か視聴者が把握してないうちからすでにキャラが恋愛脳だらけになっているため視聴者はパッと見ビビるし、主人公ヒカリは最初の数話は独占欲が強く空気を読まず人の話を聞かずに早合点する少年として書かれているから5話以内に視聴を切ってしまう人も放送中は多かったようだが、そこさえ乗り越えればあとは夢中になれる面白さである。
それどころか、視聴を続けて行くうちに上記のような「受け皿の狭さ」は利点へと姿を変えていく。

ヒカリを最序盤に明らかに未発達なガキとして書くことで、ヒカリのそこからの成長を効果的に書けている。また早い段階から三角関係を乱立させることで中盤の時点でもうスピーディーに泥ぬま展開ができるし、それにあたりテンポも早まり、毎話毎話続きが気になる素晴らしいクリフハンガーを生んでいた。(アクアテラリウムのEDの入り方が完璧すぎるw)

つまり「入り口が狭い割には入ったら抜け出せない深みと魅力がある」タイプの作品。
大衆受けする大ヒット作を「お皿」だとするなら凪のあすからは「壺」です。


とりあえず後半の完成度には圧倒されるばかり。
特にラスト2話が希望や勇気が沸いて来るようないい終わり方だったためかなり好印象。それに「好きな気持ち」そのものをテーマとしてここまでガッツリ掘り下げたアニメは他にはあまり見たことがない。
少なくともP.Aの作品では一番これが好き!

投稿 : 2015/03/30
閲覧 : 219
サンキュー:

17

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