もけもけぽー さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
主人公が怖かった
「地球 対 火星」の戦争ロボット物。
という図式で当初は見ていたのですが、戦争というより明らかにテクノロジーに差がありすぎる一方的な侵略の様子が描かれていました。
地球人は火星へ移住した人間たちを根無し草のように見下している。(ガンダムみたうですね)
地球への劣等感を持っていた火星人が超文明を手に入れたことにより、それまでの劣等感の裏返しで、今度は逆に地球を弱者と見下そうとしているという様子は随所で表現されていました。「地球人ごときが」という火星人がよく使っていた台詞にも表れてましたね。
そんなワンサイドゲームになりそうな戦争でしたが、主人公一人の圧倒的な超スペック+その他のネタバレ的事象により局地的に敗北を回避することに成功しています。このあたりの描写は「ロボット戦争もの」ではよく描かれていて、僕もロマンという部分で大好物だったりしています。
キーパーソンとなったのは主人公だけでなく、火星側からやってきたヒロインにも託されており、彼らが協力して戦争終結に向けて頑張る物語!
だったら最高だったなぁー。
まあ実際そういう頑張る物語でもあったんだけど、単純な「地球対火星」の対決構造だけではなかったり、火星にも火星のお家事情があったりと、単純明快なスッキリする方向性のストーリーではありませんでした。ここらへんが僕の好みと違ってましたね。
それと個人的に残念だったのは、ハイスペック主人公の性格なんですが、どうにも無感動すぎる男の子なんですね。喜怒哀楽といったものが全くないとは言いませんが、危ない目に遭ってもまるで怯えもせず、敵の容赦無い攻撃に怒りを露わにするでもなく、これから死地に飛び込もうかという場面で躊躇するでなく。
正規の訓練を経て前線に配属されてる兵士がブルってる場面でも、学徒である主人公はひたすらクール。頭の中で常に最善の行動を予測しながら勝算を立て、それを実行する様子は「スゴイ!」って思うんだけど、実際にやってることはイチかバチかみたいな感じでしたし。
恐怖を克服する主人公は共感できるし応援したくなるけど、恐怖を感じない主人公はちょっと怖いです。言っちゃ悪いけど化け物にしか見えませんでした。リアルな描写してるだけに。
文句たらたら書いてしまったけど、面白いのは面白かったですよ。色々と衝撃的な場面も多いですしね!