景禎 さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
風はどっちに吹いている?明日だ!!
ジャンルは硬派なファンタジーバトル。
この作品は、スマホで展開するソシャゲ「神撃のバハムート」の世界観の中で繰り広げられる完全オリジナルストーリーのアニメ作品ということになってます。この手の作品はゲーム拡販目的のものが多く、低予算ゆえの低品質がお約束になっていて、当初あまり期待していなかったのですが・・・
いい意味でその期待は裏切られました。おいおい、いったい幾ら金かけてんだ?って。1話はそれほどでもないのですが、2話まで見れば、その高いクオリティに圧倒されてしまいます。
原作となるゲームは課金ゲーとして結構有名で、まともにプレーしようとすると月数万の課金ガチャは必須とか。それでもけっこう流行っているようで、そうして稼いだ大金をアニメ作品として社会に還元している?つか、あわよくばもっと儲けよう!ということなのかも知れないです。
天界、魔界、人間界に分かれ、人間、神、悪魔が普通にそこに存在する世界。人間を挟んで神と悪魔が争っている中、神にも悪魔にも属さない絶対的な力を持ったバハムートが目覚めようとしている・・・という設定。
設定自体はファンタジーものとしてはありがちですが、その中で繰り広げられるストーリーはスリル、サスペンス、冒険、ギャグを絶妙に織り込んでいて、最期にはあっと驚くどんでん返しも用意されています。全編を通して伏線も縦横に張られており、アニメのストーリーとしてこれ以上ないほどのレベル。1クール12話ものとしての尺もぴったり。
原作があるとは言っても、登場人物のほとんどはオリジナルで、ストーリーも完全オリジナルなので、実質的にはアニメオリジナル作品と言ってよいと思います。なので、放映中は今後の展開がどうなっていくか分からず、画像コメントサイトではネタバレの心配なく、安心して見れました。
キャラデザインは最近はやりの萌え系ではなく、ジョジョや米国産アニメを思わせるようなハードボイルドな感じ。そういうの苦手な人はつらいかもしれない。キャラは立っていて、登場人物にはかなり強烈な個性があります。私としては、ヒロインのアーミラの幼さと大人のアンバランス感もよいが、途中から加わるゾンビ少女リタがキモかわいくお気に入り。男キャラではファバロのいい加減さもいい感じだが、カイザルの暑苦しさが最高にいい。
そして、味方キャラの戦闘力が高いこともこの作品の魅力。ファバロはずるく、カイザルはまじめなところを生かした強さ、アーミラは本能的に強く、リタは豊富な知識と経験に裏打ちされた強さ。それぞれ、ここぞと言うところで頼りになり、見ていて安心感や爽快感がある。
作画の美しさ、ダイナミックなアクション、ストーリー展開の面白さ、キャラの魅力、音楽・・等々どれをとっても標準的なクオリティを大きく超えています。さらに、最近は円盤の売り上げを気にするあまり、かわいい女の子ばかり出てくる萌え系作品が多い中、こういうガチで硬派な作品は価値がありますね。
音楽はOP、EDともにすばらしい。OP、EDの動画もクオリティ高く一見の価値あり。ただし、2話以降しか見れません。
ところで、毎回のエンドカードで「来週もバハりMAX!!」と叫びますが、これってどういう意味でしょう?。先行上映会でスタッフの誰かが使ったのがウケたので、ずっと使い続けた、ということらしいですが。ま、たぶん語感がよかっただけで、さして意味はないと思います。