「ばらかもん(TVアニメ動画)」

総合得点
90.2
感想・評価
2938
棚に入れた
14417
ランキング
60
★★★★★ 4.1 (2938)
物語
4.2
作画
4.1
声優
4.1
音楽
4.0
キャラ
4.2

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ネタバレ

どらむろ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

田舎(長崎県五島)の魅力と成長ドラマ。コメディーとしても楽しさ満点な名作

才気溢れるが問題児な若き書道家が、長崎県の五島で天真爛漫な少女ナルや島民たちとの関わり、成長していくヒューマンドラマです。
田舎(五島)の魅力全開な舞台で繰り広げられる騒がしくも温かい日々が、コメディータッチで楽しく描かれていて全12話ノンストップな面白さです!
なる役の原涼子さん(当時9歳)他、子役の方言演技の素晴らしさも括目。

田舎に癒される度は「のんのんびより」に匹敵する!
奥深いヒューマンドラマと楽しさを高水準で両立しており、万人にオススメできる名作アニメです!

{netabare}『物語』
新進気鋭の若き書道家・半田清舟(生意気だが繊細な都会っ子)が、五島の人々(奔放で温かい田舎)に翻弄されまくり、その過程で半田(先生)が自分に欠けていた、人間として大切な物事に気付いたり、悩みや葛藤を乗り越えて成長していく…。
本作の魅力は田舎(五島)特有の雰囲気のドタバタコメディーの楽しさと、非常に深いヒューマンドラマ両立している事で、終始、純粋に楽しく観られます。

先生はかなり面倒くさい若者かつ抱えている悩みも深刻…なハズなのですが。
ナルはじめ奔放で遠慮なく踏み込んでくる島の子供たちと過ごす日々のドタバタで、悩みが小さく見えてくる。
幼いナルが度々、鋭く核心突くようなセリフあり、ハッとさせられます。
「自分らしさってなんだ?」
若者の悩み葛藤…
それを些かの説教くささも感じさせずに、掛け値なしの楽しい日々の中で、そっと気付かせてくれる。

先生は大人(23歳)だけど非常に未熟で子供っぽく、都会っ子なので田舎は不慣れなのも相まって、逆にナルたち子供の方が引っ張っていく構図が本作特有の面白さかも。
「大人と子供」という壁は、どうでも良い。先生だって人生初体験なんだ!
先生が島での初めての経験を通して大切な事を見つけていく…
ヒューマンドラマとして抜群の面白さ、かつ「テーマが分かり易い」のが素晴らしい。

更に本作が良いのは純粋にコメディーとしても楽しい事、どんな高尚な作品も楽しくなきゃ視聴し辛いですから♪
その意味で本作のコメディーは、都会っ子な先生と五島の文化ギャップで、異文化交流物めいた面白さあり。
方言演技の素晴らしさも相まって、五島らしさ、つまりは「ばらかもん」らしさ存分に活かされていて毎回目が離せず。

五島特有の文化風俗を絡めたドラマも素晴らしい。
ナルのお墓参りの話は、温かい気持ちになりました。

終盤は先生が島を離れる…これは寂しい展開か!?と思いきや。
全然そんな事は無かった!あんまり暗くならずにひたすら明るい。
でもいつの間にか先生にとっての帰りたい場所が五島になっている…
書道家としても人間としても大きく成長した姿と、やっぱり変わらず悩みつつも島に馴染んでいる先生の姿が、初期との対比で、感無量になります。

分かり易いテーマ、奥深いドラマ、田舎らしいハートフル、徹頭徹尾の楽しさ面白さ。
全12話、完璧です。


『作画』
五島の美しい情景が見事に表現されていました。
あざとく綺麗…というより、等身大の田舎…な感じのさりげない表現が良い。
ナルの幼い子供らしい天真爛漫な表情かわいい。
中学生組も割と好みです。
ガラスの仮面っぽいギャグ顔も面白いw
書道の迫力も伝わりました。

『声優』
子供たちの役にリアル子役を起用しており、これが完璧なはまり役。
琴石なる役の原涼子さんは当時9歳!
演技の巧拙なんぞどうでも良く思えるくらい、完璧になるちゃんでした。
難しく、原作者をして「共通語で良いですよ」と放棄していた方言演技を完璧にやってのけた。
て、天才か…!
唯一無二。アニメ版「ばらかもん」を名作たらしめたのは原涼子さん他子役たちの名演のお陰。
…いつか本作レビューする際、声優項目は5点以外あり得ないと常々思ってました。

古木のぞみさんは五島出身、方言指導も担当されたようです。
大久保瑠美さんのタマも暴走時熱演w

小野大輔さんの安定感あるテンパり演技も流石でした。
糸博さんなどのベテランも深みあり。
先生の母の鷹森淑乃さんの熱演も見所。ナディアの鷹森さんが美人ママさんとは…。


『音楽』
OP「らしさ」愚直なまでにストレートに本作のテーマを綴った、非常に分かり易い主題歌で好感が持てます。
ED「Innocence」も良い余韻残る。
作中の五島らしい雰囲気もバッチリ。
…4.5か迷う。欲を言えば「ばらかもん」専用とまでは言えないので。


『キャラ』
都会っ子もやしっ子な半田先生の人間的未熟さが、全面的に良い方向に作用していて面白い。
メンタル弱い!でもそれは書に、そして自分に真面目に向き合っているから。
子供っぽさが、ナルの純粋さ島民の人生経験を受け入れる素直さに繋がっている。
これは館長や父から期待されますわー。
成長ドラマの主人公としても、イジられ系のコメディ要員としても、萌えキャラとしても最適な主人公でした。

7歳の幼女・琴石なるちゃん可愛いです。
天真爛漫!子供ならではの発想や行動が終始目が離せないくらいの楽しさと可愛さ満点。
時折、悩める先生に核心突くようなセリフでドキっとさせてくれました。

ボーイッシュな中学2年生・美和ちゃんも可愛いです。
中学生にしては胸大きい…露骨では無い健康的な感じよいですな♪
ガンガン引っ張る、良い感じにトラブルメーカー…に見せて、気遣いの出来る良い子。
先生よりも精神的に大人というか、先生が子供過ぎるという逆転現象。

珠子ちゃん(通称タマ)は眼鏡美少女…黙っていれば可愛いのですが。
く、腐ってやがる…!いや、本人は必死に暗黒面に堕ちまいとしている!
珍しいタイプでした。本作を面白くしている強力なギャグ要員であった。

高校三年生の浩志(ひろし)君は、半田先生に次ぐもう一人の主人公であった。
先生との関わりで互いに学び影響され、自分のありかたを模索していく。
先生一人だけではない、もう一人の若者の存在も大事でした。
そして、半田先生の島での正妻ポジでもあった。
…タマ視点では…い、いかん!

半田先生の親友にして良き理解者な川藤も素晴らしき友であった。
ビジネスパートナーとしての冷静な側面が、むしろ客観的に先生の成長を評価する説得力あり。
若く生意気な後輩書道家・神崎康介も島で成長した先生…の影響で成長しつつ、天然な黒さが可愛いです。
人格者な館長と父も存在感あり。
…先生のお母さんが強烈なインパクトありました。若い!過保護!かわいいw

他の子供たち(ヒナちゃんかわいい)も存在感抜群。
島民もそれぞれ人生の先達にして楽しい人々でした。{/netabare}

投稿 : 2015/11/13
閲覧 : 418
サンキュー:

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