退会済のユーザー さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
山賊 子育て ダイアリー
(総評)
ゆったりずっと続くんじゃないかと思っていた物語も終わりを迎えてしまった。
最終回、見慣れたローニャのあどけない顔がとっても可愛く思えて、まだ観続けたい気持ちでいました。
収まるところに収まり、アットホームさを取り戻し、ローニャとビルクはこどもだけの季節限定冒険マイホームも手にいれ…
男どもの稼業であるいそぎばたらきに、何らかの決着と変化がつくのかと(狩人に転身とか)思っていたのですが、そういう方向転換は、ローニャたちが大人になった時なんでしょうね。お隣のライバルと和解できただけで充分な状態なのでしょう。
大人がモラトリアムな楽しげな集団。いい時代だね。
山に入ってあんな奴らに追い剥ぎにあったらたまったもんじゃないけどね。ほんとにね。
最後まで父ちゃんは動の人、慟哭の人でした。
母ちゃんが立ち働く姿(パン焼いたり、糸紡いだり、織物したり)を観るのが和みました。
母ちゃんに色々習いたいです。
好きだったのは、ローニャとビルクの掛け値なしの友情が育まれるところ。男でも女でもなく兄弟のような友情に、心が潤いました。もう何年かすると変わってしまうんでしょうかね。
ローニャの声優さんの怒鳴り方や真剣な声、結構よかったんじゃないかなーと思います。
(中間評)
ずっと、山奥で暮らすローニャのゆったり過ぎる暮らしぶりを見せてきたんです。
ゆるく観続けて ここにきて ビックリ
ローニャのとおちゃんが児童虐待ですよ
相手は、因縁のライバル・ボルカ山賊の息子ですが、彼はローニャの秘密の遊び相手でもあります。子供達はお父さん達がいがみ合っているから気が引けて、それでも遊びたくて、こっそり会っていたのです。
少年のボッコボコの青あざだらけで縛られた抵抗する気もない姿は強烈でした。
兄弟の誓いをたてた、はじめての友達を傷つけたのは、ずっと大好きだったお父さん。
ローニャの息詰まる気持ちは余りあります。
これまで、山賊ってなに?どういうこと?何をするの?
と疑問に思い、真っ直ぐにお父さんに聞いてもはぐらかされ、腑に落ちてはいなかったローニャ。
信じたくない状況を打開するためにローニャが選んだのは、友達と同じように自分も、相手の陣地で捕虜になること。縄をかけられ顔もあげずにうなだれていた少年が、向こう岸へ跳び渡ったローニャを見つめ返し、お互い無言で全てわかっている様子には、グッとくるものがありました。
ローニャの父ちゃんは、にっくきライバルを思い通りにどうにかしてやりたいと思っていた。そのための手段では、相手の子供なんかただの駒だったし、自分がローニャを愛するようにライバルも子供を想っているなんて想像だにしなかったし、ローニャが自分を拒絶するだなんて、以ての外だった。
ゴロー氏のインタビューに、この父マッティスに惚れこんで、彼を描きたかったという言葉がありました。熱くも想像力の無い父マッティスを、この後どう描いていくのか注目です。
【3DCG使用の印象】
{netabare}「ペンギンズ」を観た後で「山賊の娘ローニャ」を観ると、断然“のっぺり”してるな…と思うんですが、3Dでも手法が違うんでしょうね。
ペンギンズは立体的な写実派ですが、ローニャのほうは、輪郭が先に見えて、質感や自然光の影響をあまり感じさせない。そういうテクスチャを盛り込んで無いってことでしょうか。3Dだけど「絵」の塗りっぽく淡く見せたいのかもしれません。ジブリ的な背景画と不自然に見せないための兼ね合いでしょうか。
人物に、絵だからできる感覚的な色彩表現はあえて排除している気もしますね…。影は動くけど、よっぽど暗闇の中にならない限り、外でも室内でも肌や髪の色質が変化したりしないんです。雰囲気のための視覚の対照差や錯覚とか、CGだからできるエフェクトを利用した演出はない気がします。ただ一点 演技のために3Dを使用している印象です。 {/netabare}
初見
{netabare}宮崎ゴローさんの新たなる挑戦。
私の周囲のライトアニメ層(主婦連)からは
「ゴロー大丈夫なのかい」
「“ローニャが出来るまで”見たけどさぁ、ゴローCGなっちゃってんじゃん、あの絵はどうよ〜」
「いちお録画しといたけど面白いの?」
と怪訝な声が…
いやいやいや、かわいいよ?ローニャ。
そしてコワモテなのに子煩悩な山賊陣の、クスリとさせられる連続技。
走ってるだけでなんだかおかしい父ちゃん。
仕事の最中に居ても立ってもいられんくなるくらいローニャを愛し、時に叫び、そしてすぐ忘れる父。
動の父に対して静の母。
ふがいない男どもをピシャリとしつけ、常に働き、心配事は横顔で語る。
そして音楽が素晴らしいです。
オープニングもきれいですが、劇中の賑やかな民族音楽がとてもいい。 {/netabare}