らしたー さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
具象化しりとりやりたい
ステファニーやジブリールのノリが90年代な気がするのは自分だけか。白やイズナあたりのキャラ造形との落差が大きすぎて、こんなんでもちゃんと成立するんだなあと感心してしまった。その落差こそがよかったのか。キャラはよく立っていたように思う。
ゲームの本質ってルール作りにあると思う。
そしてルールというのは、つまるところ制約である。
・横断歩道の白い線だけを踏んで渡る(=行為)
・横断歩道は渡っていいよ。でも白い部分しか踏んではダメです(=ゲーム)
「基本こういうことができます。でもこれは禁止です」
のワンセットを、絶妙なバランスで組み合わせていくのが優れたゲーム設計者であり、高度なものであろうと原始的なものであろうと、面白いゲームというのは絶妙な制約とその組み合わせで成り立ってる。「横断歩道の白い線の間隔」と「一般的な小学生の歩幅」があった上で、「白い部分しか踏んではダメ」という絶妙な制約が加わると、それだけでちゃんとゲームになる。
でもって、10の盟約。
異世界自体をゲームと位置づけたときのルールがこれなんだけど…
条文の作り方としてはザルというか、これ相当気持ち悪い。
>> 5.ゲーム内容は、挑まれた方が決定権を有する
普通ここには、「ただし、被挑戦者がこの権利を放棄した場合はこの限りではない」てのがワンセットで続かなくてはいかんし、また、
>> 6.゛盟約に誓って゛行われた賭けは、絶対遵守される
「遵守されなければならない」ではなく「遵守される」となっているところから、これはもう義務を記したものではなく、「摂理」を刻んだものである。
>> 8.ゲーム中の不正発覚は、敗北と見なす
ゲーム終了したあとなら発覚してもいいんだよな? 終了したかどうかの判断権は誰にあるんだ? あるいはゲーム「前」に不正宣言しても相手がそれをのめば問題なしなんだよな?
とか。
なんかもう、ザル&奇形すぎて機能しないです、普通なら。
そういうところを、どうダイナミックに料理していくのかなー、と思いながら観はじめたんだけども、結果は、半分は当たりで半分はハズレ。良くも悪くも浅いところを行ったり来たりする内容で、物足りないと思う反面、見てて疲れない作風が好ましくもあった。具象化しりとりなんかは、ファンタジー世界ならではのルール付けが秀逸で感心してしまった。
もし続きがあるなら普通に期待できるんじゃないでしょうか。
10の盟約のザルさ加減なら、まだまだどんな膨らませ方もできるはず。