ninfami さんの感想・評価
4.9
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
圧巻の演奏、背景、彩り。甘酸っぱい青春の群像劇。
原作未読です。原作に興味があったので視聴しています。これは、甘酸っぱい青春や恋愛、芸術をテーマとした作品が大好きな私にとっては、ドストライクな作品です。やっぱいいなぁ~、こういう作品は。
物語は、母の死がきっかけでピアノが弾けなくなった天才ピアニストの有馬公正が、天才(鬼才?)バイオリニストの宮園かをりと出会い、再度ピアノと向き合うお話です。この2人が「全く逆の性格をしている」ところが良いですね。前者は大人しくて気の弱い男の子、後者は天真爛漫で気の強い女の子、いかにも設定がデフォルトですが、私は変にキャラを作られるよりも、こういう王道な設定の方が好きです。
そして、このアニメの見どころは何と言っても演奏シーンと背景。書き込みが凄いです。モブキャラの演奏シーンは止め絵ですが、主要キャラはの演奏シーンはかなり動きます。どうやらこの演奏シーンは、実際に演奏しているものを参考にしてアニメ化しているそうです。そして背景がとてつもなく綺麗です。本当にこの2つが素晴らしく、見ているだけで感動します。
こういう芸術面に優れた作品からか、セリフが少しアーティスティックで臭いです。私は好きですが、ハチクロのような臭いセリフが苦手だった人は少し抵抗があるかも。
音楽、青春、恋愛、様々な要素を盛り込んだ群像劇です。私は1話のピアニカのシーンでこの作品の虜になったので、是非1話だけでもご覧ください。
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見終わった後の感想。
素晴らしい!今作は、多少なりとも粗はありますが、伏線にしても、特徴的な色遣いにしても、演奏シーンにしても、演出にしても、そのすべてが1つのアニメーション作品の中に、見ごたえのあるハイレベルなものとして完成されています。
特に最終回は、沢山の伏線が回収されるので、カタルシスがゾクゾクと味わうことが出来ます。最後まで見た後で、また1話を見ると、違った視点(かをり視点)から見れるので面白いですね。2度楽しめるアニメ作品です。
物語の評価は視聴中は4.5にしていましたが、そのような最終回での伏線の回収に震えをも覚えたので、最高点の5.0にさせていただきます。正直、序盤は「見どころは演奏シーンだけかなぁ」と思っていたのですが、お話も完璧に作られていましたな。恐らく作者は、最初から全ての構想を練っていたのでしょうね。でないと、こんなに上手な物語は作れない。
音楽は言わずもがな、作画もキャラの立ち位置もとても良かったので、これらの点も最高点の5.0とさせていただきました。
私の中では、10年代は今作を超えるアニメ作品は出ないんじゃないかな、と少々疑っております。大袈裟ではなく、それなりに本気だったり。「ちはやふる」の3期があれば、まだ希望はあるかも・・・・。
心に残るアニメというよりも、心に刻み込まれるアニメでした。「四月は君の嘘」のスタッフの皆様、こんなに素敵な作品を制作して頂いて、本当に有難うございます。