nora1581 さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
タイトルなし
久しぶりにいい作品に出合った気がします。
この作品を通して感じたことはアニメ制作スタッフの素晴らしさです。
原作は元々すごく良い作品だと思うのですが、アニメ化によってさらにいい作品になったと思います。
この作品がほかのアニメと違うところはすばらしい作画と演奏の緊張感の表現だと思いました。
君嘘の作画は全体を通して淡い色を使うことで青春っぽさを出していました。また,ちょっとした風景にもとてもこだわっていて、何気ない帰り道でも細かく丁寧に描くことでとても素晴らしい絵になっていました。イシグロ監督は、「実写でやるよりも元々この世に存在していない絵にリアリティを与えたほうが心に残ることが多い」と考えていますが、まさに監督の言うとおり、君嘘を見ていて、素晴らしい絵に何回もハッとして感動しました。
そして音楽アニメで重要となった演奏ですが、毎回とてもはらはらしました。こうせいが途中でピアノが弾けなくなる時も、見ている僕まで心臓がバクバクでした。またピアノ演奏者のそれぞれの強い思いを毎回感じて何回も涙しました。
最終回ではようやくタイトルの意味も明かされました。地味な女の子だったかをりが、残り少ない人生でどうしてもこうせいと一緒に演奏したいがためについた嘘。かをりの健気さに涙が止まりませんでした。公正からみれば、いつもかをりは輝いて見えたと思いますが、実はかをりの方がもっとずっと公正に憧れ、惹かれていたんですね。
それと最後に挿入されたwacciのキラメキが雰囲気にとてもあっていてよかったです。
「振り返ってみてもいないのは分かってる
なのにまた名前呼ばれた気がして見渡してみる
角を曲がれば歩幅合わせたあのころに戻れるような」
亡くなってしまったかをりを思う公正の気持ちが表現されていて、すごく感動しました。イシグロ監督すごすぎです。
とても良い作品でした。本当に出会えてよかったです