plm さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
良き原作愛!第三部-ジョジョの可笑しな旅行譚
ジョジョの奇妙な冒険、シリーズ第三作目。代名詞的主人公、空条承太郎が登場するのも本作。
1部、2部と比較して、原作の連載期間も長く、作風が定着するまでの様々な試行錯誤が窺える。
また「スタンド能力」が出現してくるため、能力バトルモノとしての色も強くなっている。
けれど、実は能力バトルよりも「各国旅レポート」みたいな側面も強かったりするのが第三部である。
■良き原作愛!ベターな作り
1部およそ1クール、2部続けてやって合わせて2クールと来たので、
4クールは尺余るだろうから、カットはさみつつの3クールがちょうど良さそうだな、なんて思いきや、
ゆったりとしたペースで進行する序盤。カットも全然なくて、なんと尺は存分に取るようだ。
家出少女なんか消されてもおかしくないくらいに思っていたのに、
いやいやそんなんじゃJOJO三部じゃねえだろ!とばかりに、あますとこなく描いてゆく。
OVAを見ると、三部って緊迫した決死の戦いの作品なんだなあ、なんて感じてしまうけれど、
忠実に再現度の高いこちらを見ると、三部ってめちゃコミカルな作品だわ、と確信する。
いやこれはどちらにも良さがあるのだけど、コミカルさもやっぱりジョジョの要素だと再確認した。
その辺り、原作の雰囲気からそう違和感なく観れたのは、原作愛の成せる業ではないだろうか、GJ。
■コミカルなキャラクターたち
オーマイガー!というほぼリアクション担当のジョセフに、お調子者で痛い目ばかりのポルポルくん、
知謀キャラでありながらどこか暢気でマイペースな花京院、常識人と思いきや突如はじけるアブさん、
そしてどんな苦境も無敵のスタプラでごり押しの、圧倒的に頼れる承太郎。
なんだこの面白おかしいにぎやかな面々は。
こう並べてみると、交戦では実質承太郎(と加えるなら花京院)だけで乗り越えられてきている。
他の人たちは何のためにいるかというと、主に解説・実況・感想係で、
スピードワゴンが3体に分裂したようなもの。敵もアトラクションのようなもので、
もはや敵キャラクターと味方パーティによるキャラ漫才がメインだったりする。
割かし切羽詰まった戦いをしていた1部、2部と比べると、わいわいがやがや楽しげなムード。
各地を観光して土地の文化を紹介しながら、時折やってくる個性豊かな敵を適当にあしらいつつ、
仲間との絆を深めてゆったり旅気分。そんな悠々とした雰囲気が伝わってくる。
実際これが三部らしさ、とも言えるんじゃないだろうか。
☆総括
原作を読んで知ってる人でも、久しぶりに観てみたら楽しい気分になれるのではないだろうか。
見知った話でも演出で違って見えるし、映像もなかなか良いので動きがつくことでの目新しさもある。
物語的にはこれからが佳境、続くエジプト9栄神との戦いが楽しみだ。