zunzun さんの感想・評価

4.6
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態：観終わった

光と影

まず、このアニメ、タイトルでかなり損をしているように思います。このようなタイトルは近年のライトノベル作品群の特徴ともいえるでしょうが、これではタイトルだけで敬遠される可能性も否定出来ないという点が非常に勿体ない。。それほどに興味深く面白い作品になっています。


本作はライトノベル原作のラブコメアニメに位置づけられるとは思いますが、従来の同ジャンルと比較しても心理描写がかなりキレてます。切れ味がいいという意味です。とってもシニカルです。コメディとタイトルにあるのに笑えないくらい現実社会を皮肉っているからなのかもしれません。主に主人公ですが、彼と同じ思いを抱いて学生時代を過ごした方には痛い程伝わるかもしれません。物語前半は軽いジャブからはじまりますが、最後まで観た時に深く考えさせられた作品でした。


私がこの作品を通して感動できた事は、「リアリティ」を創作に活かす時の作者のためらいのなさと潔さでした。本当に潔い。ただ、主人公自身の自己犠牲は美談にとは言いますが、現実が求める人材は登場人物の葉山君のようなキャラクターが正に理想像ですからね。。主人公と彼のその対比がまさに青春、いや、社会の光と影だなとしみじみ思いました。意外と社会派ドラマですね。

主人公は作家向きなのかもしれませんね。おそらく主人公＝作者なんでしょうね。。

{netabare}
ラブコメといいながらも、主人公とヒロイン二人の恋愛要素の進行が遅いので、ヤキモキしましたが、後半の予想外に話が大きく動く所でラブの部分はもうどうでも良くなりました（笑）気長に待てばいいのかなと。主人公アレだし。。


欲を言えば登場人物が少し多かったかなという印象です。削れば十分描けたような気もしますしね。これはほんと欲ですね。そして、実質最終話の12話からの番外編13話へのシフトは気持ちよく終われて個人的には満足でした。
所謂野球回的な（笑）{/netabare}