OZ さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
散る事のない花占いの様な恋
原作の漫画は読んでいないが
「別冊マーガレット」で同じく連載されている
『君に届け』が楽しめたので
シリーズ構成担当も同じ金春 智子さんとの事から
期待して観る事にした2014夏アニメ
■散る事のない花占いの様な恋■
「アオハル(青春)+ライド(ride)」で
「青春に一生懸命乗っていく」との意味らしい造語から
恋愛あり 友情ありの青春ストーリー『アオハライド』
タイトルの意味合いは
正直 ピンとこない所だが
良い意味で期待を裏切らないシナリオが持ち味だ。
王道故の筋書きなので
何となく先が分かるのだけれど
その反面 安定感は一定に保たれている。
主にヒロイン 吉岡 双葉の目線で展開し
やはり少女漫画原作な為
男性視点だとどこまで
キャラクターに感情移入出来るかが
評価の境目となるだろう。
人を好きになると不思議なもので
些細な事に感情は上下動し
好き→嫌い→好き→嫌いと
絶え間なくループする。
全12話の間に答えは出なかったものの
一歩一歩着実に進展していった
吉岡 双葉と馬渕 洸の二人。
結ばれるまでに想いは何度立ち止まり
そして進むのだろうか。
揺れ動く乙女心は
散る事のない花占いの様な恋である。
■挿入歌「I will」の流し方■
今作品の印象に残った場面は
最終回で洸と田中先生と父親
3人で食卓を囲むシーンにもグッときたが
それ以上に魅せられたのは第6話のラストシーン。
洸が電車から降りるか降りないかに
先を委ねようとする双葉の気持ちがハイライトでした。
「もういっそ 誰かにどっちにするか
決めてもらいたいくらいだよ」
友達の槙田 悠里と同じ人を好きになり
そのまま好きでいるか諦めるかで葛藤する双葉
答えを選べないまま刻々と時間だけは過ぎ
いざ電車に乗り込む直前
忘れ物をしたと双葉は
流れに身を任せる様 覚悟を決めて口を開く
「もしこのまま洸が降りなかったら好きをやめる
もし降りたら好きでいる
降りなかったらやめる
降りたらやめない
降りなかったらやめる
降りたらやめない
降りなかったらやめる
降りたらやめない
降りなかったら・・・降りて!!」
繰り返す双葉の葛藤が
痛い程に伝わってくる描写も見事だけれど
挿入歌「I will」の流すタイミングが抜群で
走り去ってしまう電車に
「この恋を遮るように 電車は過ぎ去った」の
歌詞を合わせる演出は圧巻だ。
どの作品にも言える事だが
音楽の流れるタイミングで場面は色を変えるもの。
魅せたい場面をしっかり抑えてあるので
印象を残すのが上手いと思わされた音楽の使い方である。
■あとがき■
爽やかな余韻を残してくれ
物語そのものは上手く纏まっていたが
振り返るとあまり入り込めなかったな。
ざっくり言えばキャラクターに
感情移入し辛かったって事。
序盤こそ可愛く感じた双葉だが
中盤以降は洸の心に踏み込むのが気になってしまい
悠里を出し抜いている様で
素直に応援出来なかったんだよね。
男だから感じる事なのかもしれないけれど
肩を抱き寄せたり
リップを指で拭き取ったりする間柄なら
もう付き合っても良くない?と
スキンシップの距離感に戸惑ったかな。
しかし 洸は格好良かったね。
男でも惚れちゃうでしょ(笑)
2期への含みを持たせたままなので
続きがあれば観たい作品だ。
満足度 ★★★★★☆☆☆☆☆ (5)